Vishay Intertechnology(以下、ビシェイ)は、「TECHNO-FRONTIER 2011」(2011年7月20日〜22日、東京ビッグサイト)において、外形寸法が0.67インチ(約17mm)角のメタルコンポジットタイプのインダクタ「IHLP-6767」シリーズを展示した(図1)。
メタルコンポジットタイプのインダクタとは、金属磁性粉末と樹脂を混ぜた材料を用いた磁性コアとコイルを一体成型して製造するインダクタのことである。磁性コアにコイルを巻き付けるトロイダルタイプのインダクタよりも小型であることや、磁性コアにフェライトを用いた積層タイプのインダクタと比べて高温域で磁気飽和しにくいことなどを特徴とする。ビシェイは、「当社は、業界に先駆けてメタルコンポジットタイプのインダクタを開発した企業の1つだ」と述べている。
IHLP-6767シリーズは、インダクタンスが0.22μH〜100μH、直流抵抗(DCR)が0.67mΩ〜110mΩの品種を揃えている。インダクタンスが0.22μH、DCRが0.7mΩの品種は、定格電流が80Aに達する。「IHLP-6767シリーズは、外形寸法が0.5インチ(約13mm)角の従来品『IHLP5050』シリーズと同等の特性を維持しながら大型化を図った。これにより、他社品にはない80Aという定格電流の製品を提供できるようになった」(ビシェイ)という。
また、ビシェイは、IHLP-6767シリーズの新製品として、−55〜155℃という動作温度範囲を特徴とする「IHLP-6767-GZ-51」と「IHLP-6767-GZ-5A」を発表した。IHLP-6767-GZ-51が産業用機器向けで、IHLP-6767-GZ-5Aが車載機器向けとなる。両製品とも、定格電流が63Aの品種を用意している。ビシェイは、「155℃の動作温度を保証するインダクタで、これだけの大電流を流せるものは他社にはないだろう」としている。
(朴 尚洙)
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