日産自動車がEV用充電システムの実証実験を開始、太陽電池と「リーフ」のLiイオン電池の組み合わせで

» 2011年07月21日 00時00分 公開
[Automotive Electronics]

 日産自動車とフォーアールエナジーは2011年7月、太陽光発電システムと日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」に搭載しているリチウム(Li)イオン電池パックを組み合わせたEV用充電システムを開発したと発表した。また、同システムの実証実験を、日産自動車のグローバル本社(神奈川県横浜市)で開始した。

 実証実験に用いているEV用充電システムは、最大出力が40kWの太陽光発電システムと、最大蓄電容量が96kWhのLiイオン電池、定格出力が200kWの電力網管理装置、3台の急速充電器と14台の普通充電ソケットなどで構成されている。太陽光発電システムの太陽電池パネルは、ソーラーフロンティアのCIS(銅インジウムセレン)薄膜方式のもので、日産自動車のグローバル本社の敷地に設置されている。電力網管理装置と太陽光発電システムのパワーコンディショナは、山洋電気の製品を採用した。Liイオン電池としては、4台分のリーフのLiイオン電池パック(オートモーティブエナジーサプライ製)を用いている(写真1)。


写真1 EV用充電システムに用いられている「リーフ」のLiイオン電池パック 写真1 EV用充電システムに用いられている「リーフ」のLiイオン電池パック 

 このEV用充電システムを用いることで、再生可能エネルギーである太陽光を用いて発電した電力をEVに充電できるようになる。また、昼間に太陽光発電システムで発電した電力をLiイオン電池に蓄電しておくことで、夜間や降雨時にもEVへの充電を行うことが可能になる。なお、日産自動車によれば、実証実験に用いるシステムを1年間運用することにより、1800台分のリーフへの充電を行うことができるとしている。

 フォーアールエナジーは、今回開発したEV用充電システムを、商業施設や公共施設向けの中規模のシステムとして市場展開する計画である。同社は、日産自動車と住友商事が、車載用途での利用期間を終えたLiイオン電池の2次利用を事業化するために設立された合弁企業である。このため、EV用充電システムを市場投入する際には、リーフなどに用いられていた車載Liイオン電池を2次利用することになると見られる。

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