第1弾として、四節リンク機構を使って揺動運動する機構を紹介します。
揺動(ようどう)とは、「ゆれ動くこと。または、ゆり動かすこと」と定義されます。つまり、駆動リンクと従動リンクのどちらも回転せずに、ゆり動かす動作のものを取り上げます。
駆動リンクと従動リンク、中間リンク、固定リンクの全てが同じ長さの場合を考えてみましょう。図3のアニメーションから、下記のことが分かります。
固定リンクと中間リンクが同じ長さ、駆動リンクと従動リンクも同じ長さで、かつ駆動リンクの方が中間リンクより短い場合を考えてみましょう。
図4のアニメーションから、下記のことが分かります。
固定リンクと中間リンクが同じ長さ、駆動リンクと従動リンクも同じ長さで、かつ駆動リンクの方が中間リンクより長い場合を考えてみましょう。図5のアニメーションから、下記のことが分かります。
その1〜3のリンク機構では、それぞれ対向するリンクが等長であると、駆動リンクと従動リンクは同期して同じ角度だけ移動し、対称性を保ちながら左右に揺動することが分かりました。
さらに、中間リンクに機能を持たせると、上下方向に移動はしますが水平を保ったまま左右に移動できることが分かりました。
それぞれ対向するリンクの長さが等長である四節リンクを、別名、平行リンクとも呼びます。
平行移動を目的にリンクを設計する場合に最初に考えるべきリンクが平行リンクといえます。
身近な機械製品でも、平行リンクが多用されています。
代表的なものに、自動車のサスペンション形式でその特徴を比較することができます。
図6のアニメーションを見ると分かりますが、平行リンクを応用している「ダブルウィッシュボーン式」では、路面の凹凸に対して、車輪が平行に上下動しています。
「マクファーソン式」では、路面の凹凸に対して、車輪が円弧を描いて上下動しています。
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それぞれの特徴を表1にまとめました。
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