二次電池は充放電時の動作制御によって寿命などが大きく変わる。ゼットエムピーは小型電気自動車に採用したリチウムイオン二次電池モジュールを単体で製品化した。特長はプログラムによる充放電制御が可能なことだ。
ゼットエムピーは、容量3.1kWhの大容量リチウムイオン二次電池モジュール「e-nuvo BMS-L」2品種の出荷を開始した(図1)。電気自動車(EV)や家庭用発電システムの研究用に向けた製品である。
容量が3.1kWhと大きいため、電池の動作モードを検証するだけでなく、例えば消費電力100Wの電気こたつを夜間に9時間ずつ利用した場合、約4日間動作するという。
二次電池は充放電時の電圧や電流、容量に対する充放電の量(充放電深度:SoC/DoD)によって、充放電できる回数(サイクル寿命)などが変化するため、機器設計に際しては、充放電制御が欠かせない。
e-nuvo BMS-Lには、充電器や電源ケーブルの他、通信プロトコルを利用してBMS(バッテリーマネジメントシステム)を動作させるするためのソフトウェアが付属する。PCと接続して充放電の制御プログラムを記述できる。通信プロトコルはRS232C/485、またはCAN。
同社は、科学技術振興機構(JST)の研究成果である人型二足歩行ロボット「PINO」の技術移転を受け設立した企業。次世代ロボット電気自動車である「RoboCar 1/10」や「RoboCar MEV」(図2)の他、ロボット関連技術としてモーションセンサー「IMU-Z」をこれまで製品化している。
e-nuvo BMS-Lは、自動運転も可能な超小型電気自動車RoboCar MEVに搭載する電池モジュールを単体で製品化したもの。実車用のリチウムイオン二次電池を実験で使いたいというニーズに応えたという。電圧や容量のカスタマイズや、100Vまたは200Vのインバータと組み合わせた形での提供も可能。
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