TDKは、『CEATEC JAPAN 2010』(2010年10月5日〜9日)において、GMR(巨大磁気抵抗)素子を用いた電流センサーの開発品を展示した(写真1)。
展示した電流センサーは、電流の測定範囲が、ピーク値で±200A、直流で±50Aとなっている。この電流センサーの特徴は、ホール素子を用いた従来の電流センサーと比べて、高い精度と高速な応答を両立していることである。電流が±200A、出力電圧が±3Vの範囲の測定について、−10℃、27℃、85℃における測定結果のフルスケール誤差は±2%だった。これは、高い精度を特徴とする磁気平衡式の電流センサーとほぼ同等である。また、応答速度は、従来品が数μsだったところを、1μsまで高めることができたという。
さらに、GMR素子を用いることにより、ホール素子を用いる場合に必要だった磁気コアやコイルが不要になる。加えて、検知対象である電流を流すバスバーをパッケージ内に組み込むこともできる。これらによって、製品の大幅な小型化が可能になる。TDKは、「測定範囲が±300A〜±400Aの製品の開発も検討している」と述べている。
(朴 尚洙)
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