オレ、ハイブリッド車ってあまり好きじゃねぇなあ甚さんの設計分析大特訓(10)(2/3 ページ)

» 2009年07月21日 00時00分 公開

 と、いうことで、いま激戦中であるハイブリッド車、その2車種の分析に入りますが、その前に、どうしても簡単な復習をしなくてはなりません。

 ここで、「同思想戦略」と「トレードオフ戦略」の理解を深めておきましょう。

復習1 「同思想戦略」

 競合機分析とは、「設計思想とその優先順位」を探ることでしたね。これを基に、競合を駆逐の戦略を企てます。まず、競合の設計思想とまったく同じ優先順位を設定するか、または優先順位を入れ替えるかを決定します。前者を「同思想戦略」、後者を「トレードオフ戦略」または、「トレードオフ」と呼びます。

第6回より 灯油ポンプに関する同思想戦略

 【市場ナンバーワンの灯油ポンプ】に真っ向から挑戦するならば、優先第1位である「低コスト」に対してとなります。つまり1円でも安くしなくてはなりません。「設計思想とその優先順位」の順位を変えずに新規に市場参入する場合は、特に、強烈な性格を決定付ける第1位(低コスト)で勝負をかけます。

 ところが、さらなる低コスト化に挑もうとも、すでに技術的には極められているのが現実です。従って、設計手段としては以下に示す2つしか存在しません。

  1. 低コスト化に寄与する新技術の開発とその導入
  2. 第2位、第3位の設計品質をちょっと落とす

 「市場ナンバーワンの灯油ポンプ」を、ハイブリッド車の先発であるT社の「P」に置き換えてください。そして、H社の「I」が先行するT社の「P」を追撃します。その設計手段は、前記1と2をマークしておいてください。

復習2 「トレードオフ戦略」

 市場でのオンリーワン商品やナンバーワン商品の「設計思想とその優先順位」をあえて避け、その優先順位を入れ替える、または新規に設定する商品戦略のことを「トレードオフ戦略」といいます。

図3 第6回より 灯油ポンプのトレードオフ

 トレードオフ戦略は、市場での実績が少ないため、マーケティングリサーチ(=市場調査)からやり直す場合があります。

良

甚さん、復習しました。特に『同思想戦略』と『トレードオフ戦略』を理解すればいいのですね。


甚

良君、そのとおりだ。それじゃ、さっきのカタログから競合分析をやってみろ!


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