チームの集合時間です。が、その時間にはすでに人がたくさん……。チームメンバーの一部と静的審査の担当のメンバーは徹夜で準備を続けていました。もちろん僕、秋元も徹夜でした。準備はだいたい終わっているので、これから出発に向けた積み込みです。持っていくものは、マシンはもちろんのこと、整備用の工具、材料、壊れたときのための予備パーツ、静的審査の各種ボードなど、多岐にわたります。
10:00 出発
2tトラック2台、軽自動車1台、マイクロバス1台という編成で静岡に向かいます。徹夜のメンバーは移動時間で、夜に備えて休息を取りました。
14:30 技術車検開始
技術車検とは、大会レギュレーションにマシンが合致しているかどうかを審査する項目です。特に安全面については厳しい検査が入ります。もちろん受からないとマシンを走らせることはできません。技術車検はまず1つめの大きな関門といえます。UTFFも万全の体制を整えていざ出陣です。1時間にわたる車検の末、特に指摘された点もなく、無事技術車検を通過しました。
18:00 キャプテンミーティング
大会本部で全校のキャプテンが一堂に会し、ミーティングを行いました。スタッフの紹介、大会の諸注意と連絡事項が伝えられ、いよいよ翌日に迫った大会の始まりが感じられました。
20:00 宿
翌日は静的審査が控えているため、この日は徹夜で準備にあたりました。プレゼンテーションの練習や原稿作り、資料作り、ボードを前にリハーサルなど、やることはてんこ盛りです。これもすべていい成績を残すためです。
6:00 会場入り
大会の朝は非常に早いです。早朝の空気を全身に浴び、気の引き締まる思いがします。ちなみにこの日、僕、秋元は静的3審査すべてに参加しました。これは、かなりハードでした。
さて早速、間近に迫った審査のための最終リハーサルを行いました。
8:00 コスト審査
大学ではまだ1限すら始まっていない時間なのですが、審査はもう開始されます。コスト審査では、マシンのコスト削減努力や生産方法などについて議論を重ねました。おおよそ30分の審査ですが、緊張しているせいか終わるのはあっという間です。主張したいことはすべて主張できました。安心している暇もなく次の審査の準備へ進みます。
9:30 デザイン審査
静的審査の中では最も大きな配点を占める(325点中150点)デザイン審査です。おのずと気合が入ります。上位5校は最終日のデザインファイナルに進めるので、それを目標に審査に望みました。マシンを前に、30分間、自分たちの設計やその評価方法などについて議論を交しました。こちらも満足の出来!
10:30 チルト、騒音、ブレーキ試験
静的審査も一段落したので、残りの車検項目を受けにいきます。この中でも騒音は、110dB以下という規制値があります。中には、毎年クリアできないチームもいるぐらい厳しい規制です。UTFFはすべての項目を一発でクリアできました。午前中には車検シールをすべて集めることができました。これで動的試験参加資格を得ました。取りあえず、第一関門をクリアです。
15:00 プレゼンテーション審査
プレゼンテーション審査は、ピットや走行エリアとは少し離れたアリーナという建物の中の部屋を使って行われます。メーカーのスタッフの方に自分たちの車を売り込みに行くという設定です。服装はもちろんスーツ。着替えて会場に向かいます。
UTFFは他チームに審査会場を公開していました。8校もの大学が来るという大盛況で、UTFFのチームメンバーが全員入れないという事態も発生しました。
審査は10分間のプレゼンテーションと5分間の質疑応答ですが、10分きっかりでプレゼンを終了し、その後の質疑応答にもすべて準備していた回答の中から答えることができました。UTFFは、ここ数年この競技ではいい成績を取ったことがなかったのですが、これは期待できそうな出来です。
18:30 撤収
長かった初日が終わりました。翌日は動的審査が開始されるとともに、静的審査の結果も発表されます。この日の夜は平和に寝られましたね。まさに爆睡でした。
6:00 会場入り
動的審査初日は晴れ。ピット設営後はマシンのメンテナンスを行い、動的審査に備えます。
8:00―11:30 アクセラレーション、スキッドパッド
午前中はアクセラレーション、スキッドパッドの2競技が行われます。今年は前日車検のおかげか、車検通過率が高かったので混雑が予想されました。11:30で問答無用でコースクローズとなります。そこまでに走れなければアウトです。
各競技を2名のドライバーが2回ずつ走行します。UTFFは、少し路面が暖まるのを待ってから、出陣しました。僕はピットでゆっくりお留守番……ではなくて、走行エリア脇に控えているメンバーから受け取った他校のタイムをリアルタイムで集計し、目標タイムを計算するという役割を担っていました。
重要なメンバーとは無線で情報交換をし、次にマシンがどのように動いたらいいかを決定します。
9:10 アクセラレーション ドライバー1人目
練習走行を行った後、走行審査の本番が始まります。
まずは4年 安原の走行です。僕はピットでExcelと向き合いながら、無線でタイムをいまかいまかと待ちます。ちなみに去年のベストタイムは4.2秒くらいです。
「4.164秒です」
あ。なんかやたらと速いぞ。おかしいな。計測ミスじゃないのか。
「2本目、4.235秒です」
あれ? 2本目も速い。
暫定トップでした。この時点では結果を信じられませんでした。僕らの車両は重いため、まさかアクセラレーションでトップを取れるなんて思っていなかったのです。
取りあえずスキッドパッドへ。
9:30 スキッドパッド ドライバー1人目
スキッドパッドは、ドライバーも散々練習を重ねてきたので、かなり自信がありました。後はドライバーがミスをしなければ上位に入れるはず。ピットでいまかいまかとタイムを待ちます。
「5.1秒台です」
お! なかなかいいタイムです。さて、これならかなりの得点を取れるのでは。
「2本目5.0秒台です」
素晴しいタイムでした。練習の成果があったようです。「これなら40点は確実かな?」と、僕はExcelで得点を計算してみたのでした。
10:00 スキッドパッド ドライバー2人目
走行エリア内でドライバーを交代して3年の白井がスキッドパッドに向かいます。だいぶ緊張していたはず。まあ、1人目が好調なタイムを出していたので、多少は緩和されていたのかもしれませんが。
さあ、ミスをしないように。そしてタイム更新なるか!
「5.3秒」「5.5秒」
路面状況を少々読み違えてしまったようで、うまくタイムを出せませんでした。
10:20 アクセラレーション ドライバー2人目
上位校がだいたい走り終えた時点で、暫定トップでした。
「4.199、4.227秒です」
また4.1秒台が出ました。どうやら1人目のタイムもまぐれではなかったようです。無事、午前中の競技を終えました。2競技ともだいぶ良い結果を残せました。
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