ノイズ低減でX線CT画像の製造現場での応用拡大へNEDO開発機構、CT画像再構成アルゴリズムを開発

» 2008年07月29日 00時00分 公開
[上口翔子,@IT MONOist]

 2008年7月29日、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO技術開発機構)は、産業技術研究助成事業の一環として、人工物製品のX線CT検査時に発生するノイズを低減する3種類のCT画像再構成アルゴリズムを開発したと発表した。

 金属や樹脂などで構成される人工物製品のX線CT検査はこれまで、CT画像内に生じるメタルアーチファクトと呼ばれる放射状のノイズにより困難とされていた。開発を行った東京工業大学理工学研究所では、その物理的要因が投影データのX線照射方向により異なることにあると解明。そこで、単純な構造の試験片を大量に検査する用途に適した手法、製造ミスの選別などに適した手法、単一の検査対象物の精査に適した手法を開発した。構造や材質によりこの手法を使い分けることで、検査対象毎に鮮明なCT画像を得られるようにした。

 また、統合技術への強みとしてCAD/CAMデータ生成までを一括処理するアプリーケーションの構築を可能にしている。

 さらに今回、撮影対象物の構造を個体別にモデル化する技術の性能が向上したことにより、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)のような金属と樹脂で構成される微小な人工デバイスへの荷重や熱による変形挙動の計算機シミュレーションによる予測を可能にしたとのこと。

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