コンシューマ向けの新製品から組み込み関連の最新技術までが一堂に会するCEATEC。今回の主役は、ずばり! “画像認識技術”だ
今年のCEATECは、「デジタルネットワーク」「電子部品・デバイス&装置」の2つのステージからなり昨年以上の盛り上がりを見せていた(国内外の出展者数の合計:895、昨年比88増)。今回は、その中でも特に目を引いた最新の製品・技術についていくつか紹介する。
ロームは、「有機ELマイクロディスプレイ技術 on LSI」を参考出展。ICチップ上に3×5mmの有機ELディスプレイ(QVGA)を搭載し、テレビ放送を受信するデモを行った(画像1)。
「昨年も同様の展示を行ったが、今回は映像の画素の“ざらつき”を抑えるため、駆動回路をアナログからデジタルに変更した」と説明員。適用分野は、デジタルビデオカメラのビューファインダやヘッドマウントディスプレイなどを想定しているという。また、ICとの一体化により部品点数の削減にも効果があるとのこと。
さらに同社は、電源が切れてもデータが残り、電源ONで瞬時に動作が再開する「不揮発CPU」を参考出展した(画像2)。LSI上のすべての記憶素子に“強誘電体メモリ”を採用することで実現しているという。同ブースでは、従来のCPU環境と不揮発CPU環境によるブロック崩しゲームのデモを実施。電源の供給を停止して、再度電源を投入すると、従来のCPU環境では再起動してしまうところ、不揮発CPU環境では電源が切れたときの状態に復帰した。電池式の携帯ゲーム機などに適用できるという。
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アルプス電気は、人体の“電界層”を利用して通信を行う「電界通信モジュール」を参考出展した(画像3)。ポータブルオーディオプレーヤが接続された送信機とスピーカーが接続された受信機、それぞれのモジュールに指を置くことで音楽が再生されるというデモを行った。
送信機側でポータブルオーディオプレーヤからの信号を変調し、人体を介して受信機側のセンサを通じ、復調しスピーカーで音楽を再生するというもの。「体に電流が流れるわけではなく、電界の変化を利用した通信なのでモジュールに紙や薄い布を置いたとしても通信が可能」と説明員。PCや携帯電話、ホームセキュリティ、自動車などの個人認証に応用できるという。
また、「携帯電話に組み込むことで、“握手した人とメールアドレスを交換する”なんてこともできるかもしれない」と、その可能性を語った。
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NECソフトは、性別・年齢層自動推定システム「FieldAnalyst」を出展し、デモを実施した(画像4)。
同製品は、商業施設などに設置したカメラの映像から利用者の性別・年齢層を自動推定し、ターゲット分析などに利用するものだ。これまで店頭のPOS端末などで利用者の年齢層などを入力していたが、レジ担当者により年齢層などの判断基準も異なりデータの質などに問題があった。しかし、今回のシステム化により人手による判断基準のばらつきをなくし、24時間365日稼動、リアルタイムで自動集計が行えるという。また、複数地点での同時収集も可能とのこと。
ここで気になるのがプライバシー権や肖像権の問題だが、同製品がデータとして蓄積するのは“性別・年齢を数値化したデータのみ”で映像は一切記録しない。説明員によると「年齢は6割、性別は9割程度の成功率を実現している」という。同製品は、2007年10月1日に出荷を開始している。
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東芝は、メディア ストリーミング プロセッサ「SpursEngine」を展示(画像5)。
SpursEngineは、Cell Broadband Engineの演算コア(SPE:Synergistic Processor Element)を4基とFull-HD対応のMPEG-2/H.264エンコーダおよびデコーダ専用回路を搭載している。これにより、デジタル映像の認識や編集などの映像処理が高速かつリアルタイムに行えるとのこと。また、PCI Expressを介してホストシステムと接続し、ホスト側のソフトウェア資産を活用できるという。説明員によると、同製品のサンプル出荷は2008年前半を予定しているとのこと。
画像6は、SpursEngineを搭載したノートPCとカメラによる高速ジェスチャ認識を実現した「ジェスチャリモコン」のデモの様子(参考出展)。手のひらをジャンケンのパーの形にすると映像が再生/停止し、グーの形にすると早送りや巻き戻しなどのメニューが表示されるというもの。独自の手形状認識アルゴリズムを採用し、Qosmioに搭載されたHD DVDプレーヤ、地上波デジタルTVアプリケーション、Windows Media Centerの操作が可能だという。
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