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新型ランクルとソフトウェアファーストなGRヤリス、愛されるクルマづくりは全方位自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)

さて、今週も自動車に関してさまざまな出来事がありました。なんといっても、まずは“ランクル”のフルモデルチェンジです。

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 車両の走る曲がる止まるを販売後に更新することが技術的に可能だとしても、焦点はソフトウェアアップデートによってどんな状態を実現するのか、です。地味な変化だったり、何のために変更されたのか分からなかったりすると、更新できるありがたみは薄れてしまいます。トヨタは、モータースポーツで実践しているアップデートやパーソナライズをKINTOで提供しようとしています。アップデートの詳細は2022年春に改めて発表されますが、モータースポーツファンはきっとアップデートのたびにワクワクしますね。

 とはいえ、モータースポーツのフィードバックを市販車に届けても、アップデート前後の変化を実際に感じ取るにはそれ相応の場所が必要です。高速道路や峠道などで性能を試すようなことはあってはならないので、サーキットやスポーツ走行ができる私有地に行く人を増やすきっかけにもなるかもしれませんね。

手動運転は馬車のように淘汰される?

 運転する楽しさは、クルマが好きな人(特にMTやFR、50対50の重量配分にこだわるような人)だけのものであるかのように思われがちです。しかし、思い通りにクルマを動かせて、運転することが苦にならなければ、好きな場所に行く自由が手に入ります。苦手意識によって憂鬱な気持ちで運転するよりも、落ち着いて運転できるほうが安全でもあります。

 運転することの価値を、馬に例える人がいます。街を走る馬車が自動車に淘汰(とうた)されて、馬に乗ることは趣味の1つとして残ったように、自動運転車の普及でクルマの運転も乗馬のような趣味になるのではないか、という未来予想です。本当にそうでしょうか?

 自分の力で行きたいところに行く手段として考えれば乗馬と馬車、自動車には共通項があります。馬のお世話やスピード、乗れる人数、運べる荷物の量を考えると自動車のほうが便利ですが。運転席がない自動運転車は公共交通機関やタクシーと同じように自分以外の力で行きたいところに行く手段ですし、運転席のある自動運転車は自分の力で移動する手段の一種です。

 愛車でジムカーナやサーキット走行をしたことがありますが、参加者の中で一番遅くてヘタでも楽しかったです。サーキットを走った後、なぜか公道の運転に対する意識も変わったのを思い出しました。浮かれて暴走しようと思ったのではなく、1つ1つ丁寧に操作したい気持ちになりました。もう何年も前ですが、忘れられない体験です。

 自分の力で行きたいところに行く楽しさや魅力を守ることができれば、伝統的な自動車メーカーは生き残り続ける可能性が高まるのではないでしょうか。

→過去の「自動車業界の1週間を振り返る」はこちら

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