ニュース
車載ディスプレイの低反射化と指紋耐性を向上する技術を開発:組み込み開発ニュース
日本航空電子工業は、車載タッチパネル用にセンサー部の反射を抑える低反射技術と、指紋の目立ちやすさを定量化した耐指紋技術を開発した。ディスプレイの視認性や操作性の向上に貢献する。
日本航空電子工業は2021年5月21日、車載タッチパネル用にセンサー部の反射を抑える低反射技術と、指紋の目立ちやすさを定量化した耐指紋技術を開発した。車載ディスプレイの視認性や操作性の向上に貢献する。
大型タッチパネルのメタルメッシュセンサーにおいて、センサー部の反射は映り込みの原因となり、視認性を低下させる。開発した低反射技術は、東レの感光性機能材料「RAYBRID」を利用してセンサー部の配線を黒化すると同時に、メタルメッシュセンサーのパターン設計技術、オーバーレイ、OCA(光学接着材)などの反射特性を最適化した。その結果、タッチパネルの反射率が約1.6%から0.5%へ低減した。
また、タッチパネルの低反射化に伴って目立つようになる指紋に対処するため、指紋の拭き取りやすさや目立ちやすさといった官能性能を定量化した。これを指標として光学設計と材料設計を最適化することで、「指紋の目立ち性」を従来の3分の1に低減。低反射下の耐指紋性能を改善した。
同社では、無反射タッチパネルや、OLEDパネルの鮮明な映像、漆黒感を表現するタッチパネルの開発を今後も進め、デザイン性や安全性、表示品位の向上に貢献する。なお、2022年には今回開発した技術を搭載した製品を量産し、販売する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- タッチパネル向け除菌器を共同開発、3Dプリンタで実現したアタッチメント機構も
ホタルクスと成田国際空港は、タッチパネルの表面に近紫外線のUVA(紫外線A波)を照射して除菌する「HotaluX TOUCH」を共同開発した。除菌対象の形状や素材に合わせて、タッチパネルとの接触部分の仕様を柔軟に変更できる3Dプリントアタッチメント機構を採用。丸紅情報システムズの協力の下、一部のパーツを3Dプリンタで製作することで同機構を実現した。 - 非接触ICカードに指紋による生体認証を組み込み、なりすましなどの悪用を防止
大日本印刷は、非接触ICカード技術「FeliCa」対応の生体認証カードを開発した。指紋による本人認証でなりすましなどの悪用を防止できる。既存のカード運用システムを利用でき、指紋データはカード内に保存する。 - 電子ペーパーで手書きメモを電子化、『ずっと表示』で使い勝手は紙のメモと同じ
Shiftallは、オンラインで開催中の「CES 2021」に出展する新製品「Croqy(クロッキー)」を発表。電子ペーパーと抵抗膜式タッチパネルの組み合わせにより、日常のメモ書きを電子化するネット接続型の電子メモで、メモ表示をスマートフォンアプリや複数のCroqy間で同期できるとともに、電子メモの内容をクラウドに保存できる。 - くら寿司はなぜ半年で非接触型サービスを導入できたのか
回転ずしチェーンを展開するくら寿司は、池袋サンシャイン60通り店に、入店から退店まで顧客が店員と対面することなく、すしの提供をはじめとするサービス提供が可能となる「非接触型サービス」を導入した。このような非接触型サービスの導入は「大手外食チェーンで初」(同社)だという。 - 極薄プラスチック基板を使ったフレキシブル指紋センサーを開発
ジャパンディスプレイは、柔軟性に優れた静電容量式フレキシブル指紋センサーを発表した。湾曲しても割れず大面積化が可能で、大型指紋センサーを作製できるため、個人認証など高いセキュリティを必要とする機器に適している。 - 無線通信機器の基板に表面実装可能な超小型アンテナ
NECと日本航空電子工業は、無線通信機器の基板表面に実装可能な超小型アンテナを開発した。さまざまな無線通信方式に対応すると同時に、高い送受信性能と実装場所の高い自由度を持つ。