ニュース
非接触ICカードに指紋による生体認証を組み込み、なりすましなどの悪用を防止:組み込み開発ニュース
大日本印刷は、非接触ICカード技術「FeliCa」対応の生体認証カードを開発した。指紋による本人認証でなりすましなどの悪用を防止できる。既存のカード運用システムを利用でき、指紋データはカード内に保存する。
大日本印刷は2021年2月8日、非接触ICカード技術「FeliCa」に対応した生体認証カードを開発したと発表した。
同カードに搭載した指紋センサーに登録者本人が指で触れながら、カードをリーダーにかざすことで、オフィスや工場などへの入退、電子マネーの決済が可能となる。指紋による本人認証が必須なので、なりすましなどの悪用を防止できる。
カードに搭載した指紋センサーで個人を認証するため、既存のカード運用システムを利用できる。装置の追加やシステム開発をすることなく、コストを抑えつつ短期間で高度なセキュリティ環境を導入可能だ。
指紋データの登録や保存、認証もカード内で完結するため、指紋データ保管用のサーバは不要。情報漏えいのリスクもなく、管理負荷を低減できる。
同社は、2021年2月から社内にて同カードを使った実証実験を実施し、同年度内に製品の提供を開始する。主な用途として、オフィスや工場の入退管理や複合機認証、マンションなどの住居の鍵、電子マネーなどを想定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日立の指静脈認証が「非接触」に対応、PCのカメラでも認証できる
日立製作所は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に対応する「非接触」での指静脈認証を可能にする、指静脈認証装置「C-1」と「日立カメラ生体認証 SDK for Windows フロントカメラ(生体認証SDK)」を開発した。 - マスク着用時の顔認証を高精度化、富士通研究所がマルチ生体認証に新技術導入
富士通研究所は2021年1月21日、手のひら静脈認証技術と顔認証技術を組み合わせたマルチ生体認証技術について、新技術などを導入することで従来より利便性を高めたと発表。マスク着用時でも高精度で本人認証を実現する技術の開発や、静脈読み取り装置のインタフェース改善などに取り組んだ。 - マスク着用時でも認証率99.9%、NECが新たな顔認証エンジンを開発
NECがマスク着用時でも高い認証精度を可能にする新たな顔認証エンジンを開発したと発表。マスク着用時の1:1認証の認証率で99.9%以上を達成し、さまざまな色や柄のマスクにも対応。認証時間も1秒以内を実現している。 - 誤認率は100億分の1以下、NECが顔と虹彩のマルチモーダル生体認証端末を開発
NECは同社の顔認証技術と虹彩認証技術を組み込んだマルチモーダル生体認証端末を開発した。搭載した生体認証技術は。顔認証と虹彩認証の照合結果をNECが独自開発したアルゴリズムで統合的に判定することで、登録した本人と他人を誤認する割合(他人受入率)を100億分の1以下にまで減らした。 - 「世界初」のレベル3情報による指紋認証、高解像センサーで指先の汗孔が見える
東京大学大学院情報学環セキュア情報化社会研究寄付講座グループとディー・ディー・エスは、従来よりも高精度な指紋認証が可能なセンサーと解析アルゴリズムを開発した。指先の汗孔など指紋のレベル3情報を用いることで、小型のセンサーを使いながらより高精度な指紋認証が可能になるという。 - パナソニックの顔認証ゲートが出入国管理に採用された理由は“共創”にあり
パナソニック コネクティッドソリューションズ(CNS)社とパナソニック システムソリューションズ ジャパン(PSSJ)が、法務省の入国管理局に採用された「顔認証ゲート」について説明。高度な顔認証技術の他に、CNS社のイノベーションセンターやデザインセンターが加わった共創活動が採用の決め手になったという。