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日立の指静脈認証が「非接触」に対応、PCのカメラでも認証できる組み込み開発ニュース(1/2 ページ)

日立製作所は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に対応する「非接触」での指静脈認証を可能にする、指静脈認証装置「C-1」と「日立カメラ生体認証 SDK for Windows フロントカメラ(生体認証SDK)」を開発した。

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 日立製作所(以下、日立)は2021年3月2日、オンラインで会見を開き、同社が得意とする生体認証技術である指静脈認証について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に対応する「非接触」での認証を可能にする製品を2つ開発したと発表した。1つは指静脈認証装置「C-1」で、装置に直接触れずに認証が行えるとともに、指3本分の指静脈を使って認証することで数百万人規模の会員数にも対応可能になった。もう1つは「日立カメラ生体認証 SDK for Windows フロントカメラ(生体認証SDK)」で、専用装置を用いず一般的なPCのカメラで指4本を撮影することにより指静脈認証が行える。両製品とも同年3月9日から提供を開始する。価格(税別)は、C-1が12万円、生体認証SDKが個別見積もりとなっている。

日立が開発した指静脈認証の2つの新製品
日立が開発した指静脈認証の2つの新製品。指静脈認証装置「C-1」(左)と「日立カメラ生体認証 SDK for Windows フロントカメラ」(右)の利用シーン(クリックで拡大) 出典:日立製作所
日立の池上隆介氏
日立の池上隆介氏

 日立 サービス&プラットフォームビジネスユニット セキュリティ事業統括本部 セキュリティソリューション本部 本部長の池上隆介氏は「日々の生活の中で“認証”が求められる機会は増大している。その一方でセキュリティの脅威としてアカウントの乗っ取りによる不正アクセスやなりすましがより大きな問題となっており、利用者は従来のカードやパスワードを使った認証に不安を抱いているのが実情だ。そこで注目を集めているのが生体認証技術だ」と語る。世界全体の生体認証市場の規模は、2020年の366億米ドル(約3兆9000億円)から年率13.4%で市場成長し、2025年には686億米ドル(約7兆3000億円)まで拡大するという調査結果もある。

 2001年に入退室管理システム向けに指静脈認証技術の提供を開始した日立は、2006年にPC接続用指静脈認証装置「H-1」を発売。H-1は、ATMやPOSレジなどにも接続可能となり、「ロングセラーであるとともに国内トップシェアも獲得している」(池上氏)という。2007年からは海外展開も始めており、2019年度の出荷台数の海外比率は60%に達している。

日立の生体認証への取り組み
日立の生体認証への取り組み(クリックで拡大) 出典:日立製作所

 また、2010年には生体情報から生成した秘密鍵をシステムに残さない技術「PBI(Public Biometric Infrastructure)」の特許を取得。2020年10月には、このPBIに、決済連携機能や商業施設での入退場管理機能などを付加して多用途に活用できる「生体認証統合基盤サービス」を発表している。今回発表した、指静脈認証の新製品や生体認証統合基盤サービスなどを含めた生体認証事業として、今後5年間で累計500億円の売上高を目指す方針である。

PBIの概要生体認証統合基盤サービスの概要 日立が特許を取得している「PBI」(左)と「生体認証統合基盤サービス」(右)の概要(クリックで拡大) 出典:日立製作所

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