タッチパネル向け除菌器を共同開発、3Dプリンタで実現したアタッチメント機構も:3Dプリンタニュース
ホタルクスと成田国際空港は、タッチパネルの表面に近紫外線のUVA(紫外線A波)を照射して除菌する「HotaluX TOUCH」を共同開発した。除菌対象の形状や素材に合わせて、タッチパネルとの接触部分の仕様を柔軟に変更できる3Dプリントアタッチメント機構を採用。丸紅情報システムズの協力の下、一部のパーツを3Dプリンタで製作することで同機構を実現した。
ホタルクスと成田国際空港は2021年5月18日、デジタルサイネージなど不特定多数の人が触れるタッチパネルの表面に、近紫外線のUVA(紫外線A波)を照射して除菌する「HotaluX TOUCH(ホタルクスタッチ)」を共同開発したことを発表した。
同製品は、光触媒シートを張り付けたタッチパネルの表面に、UVAを照射することで除菌効果を高め、ウイルスなどの感染症予防を踏まえた清掃作業の効率化を実現する。
開発過程では、同製品のプロトタイプを成田国際空港に設置されているデジタルサイネージなどの清掃作業で使用し、そのフィードバックを受けながら、半年かけて改良を重ねてきたという。例えば、本体底面にローラー、側面にガイドを設置することで安定したUVAの照射を可能にした他、UVA照射後15秒ごとに緑色LEDが消灯し、1分間経過するとブザー音が鳴るお知らせ機能などを実現した。
また、同製品は除菌対象の形状や素材に合わせて、タッチパネルとの接触部分の仕様を柔軟に変更できる3Dプリントアタッチメント機構を備える。丸紅情報システムズ(MSYS)の協力の下、一部のパーツを3Dプリンタで製作することで同機構を実現した。
同製品は、UVAの光源に365nmのLEDチップを採用。日本繊維製品品質技術センターが実施した第三者試験において、一定の条件下でウイルスの除去効果があることを確認したという(注1)。なお、光の放射による人体(目や皮膚)への影響については「JIS C 7550:ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性」が定める「通常の行動への制約が必要になるような傷害を引き起こさないリスクグループ1(低危険度)」に分類されるという。
※注:全ての菌やウイルスに効果があることを保証するものではない。日本繊維製品品質技術センターによる試験では、光触媒シートを張り付けたガラス片にウイルス(1種類のみ)を付着後に乾燥させ、同製品に搭載するLEDでUVAを照射し、その効果を検証した。
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