新型ランクルとソフトウェアファーストなGRヤリス、愛されるクルマづくりは全方位:自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)
さて、今週も自動車に関してさまざまな出来事がありました。なんといっても、まずは“ランクル”のフルモデルチェンジです。
1週間、お疲れさまでした。暑くなってきましたね。今年も水出しアイスコーヒーを作り始めました。寝る前にガラスのポットに規定量の水と豆を入れれば翌朝にはコーヒーが完成するので、手軽にちょっとおいしいコーヒーが楽しめます。豆の種類や焙煎にさしたるこだわりはなく、スタンプカードがいっぱいになると1000円分の割引券がもらえるコーヒーチェーンで定期的に豆を買っています。
家で楽しめる冷たいものといえば、子どものころに家で親がかき氷を作ってくれた記憶があります。とても騒々しいかき氷機で、かなり粗い削りしかできなかったような気がしますが、今思うと楽しいひとときでした。昔は夏が楽しかったです。何かと不自由な状況ですが、何か楽しいことができればと思います。
生きて帰ってくるためのクルマ
さて、今週も自動車に関してさまざまな出来事がありました。なんといっても、まずは“ランクル”のフルモデルチェンジです。トヨタ自動車の「ランドクルーザー」は、累計1040万台、年間30万台以上売れているトヨタの代表的なモデルの1つです。新型ランクルにディーゼルエンジンが追加されたのはファンにとってうれしいニュースでしょう。
また、フレーム車である新型ランクルにもTNGA(Toyota New Global Architecture)を適用し、フレームから新設計の「GA-F」プラットフォームを開発しました。車両全体では200kgの軽量化を図るとともに、疲れにくいクルマを目指してさまざまな改良や新技術を取り入れています。チーフエンジニアがオーストラリアを走り込む中で、既存モデルが運転していて疲れるクルマだと実感したことから、疲れにくく運転しやすいクルマが目標になったのだそうです。
ランクルの魅力は「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」(トヨタ)という信頼性や耐久性、悪路走破性にあると思います。自動車メーカーでなくてもクルマを作ることができるという意見を最近はよく見聞きしますが、どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマを製品として世に出すのはどんな会社にでもできることではありません。
いわゆるCASEによってクルマの価値が劇的に変わるという意見もありますが、変わらずに求められている価値も確実にあることも、新型ランクルを見ていて感じます。
守りだけでなく攻めも
ランクルのように伝統的な代表モデルで、変わらずに守り続けるべき性質がある一方で、ソフトウェアで何ができるかを模索する新しい取り組みも不可欠だと考えると、今の自動車業界の守備範囲はとても広いですよね。
トヨタがサブスクリプションサービスの「KINTO」で走行性能をアップデートできる「GRヤリス」を展開するのは、新型ランクルととても対照的でした(関連記事:ソフト更新で走行性能の向上や個人に合わせたチューニング、トヨタがKINTOで)。
カーナビゲーションシステムやADAS(先進運転支援システム)の地図データを更新できるとか、カーナビ画面上で使えるアプリを選んで追加できるといったサービスはすでにあります。走る曲がる止まるに踏み込んでソフトウェアで更新しようとするのは、伝統的な自動車メーカーとしてはかなり新しい取り組みなのではないでしょうか。
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