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出そろった2020年度決算、2030年の電動車戦略は見直しを迫られる自動車業界の1週間を振り返る(3/3 ページ)

1週間、お疲れさまでした。大型連休明けはうまく復帰できましたか? カレンダーに関係なくお仕事だったという方もいらっしゃるのでしょうか。梅雨入りのニュースも聞こえてきて、季節が進んでいるのを感じますね。湿度が高いシーズンが来るのは憂鬱です。

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ラリーアート復活、マツダは水素エンジンをどうする?

 決算会見には、ちょっと楽しみな話もありました。例えば三菱自動車はスポーツブランド「ラリーアート」を復活させます。さまざまな経営上の問題を抱えてきた三菱自動車が「らしさ」を取り戻すのは、前向きなので応援したいですね。また、軽商用EV「ミニキャブミーブ」も、走行距離の拡大やコスト低減、試験導入の結果を反映するなど商品力を強化します。軽の商用車の電動化が注目を集めている中、2011年から軽商用EVに取り組んできた三菱自動車が動くのは日本の自動車業界としては明るい話題なのではないでしょうか。

 マツダは、水素を燃料として燃焼させる水素エンジンに好意的な反応を示しました。トヨタが水素エンジンを開発して「カローラスポーツ」をベースにした競技車両に搭載、2021年5月21〜23日に行われるスーパー耐久シリーズ2021第3戦の富士SUPER TEC 24時間レースから走らせることで話題になっています。

 マツダの水素エンジンの取り組みはここ数年情報がありませんでしたが、丸本氏は「ロータリーエンジンと水素燃焼の相性の良さは実証済みだ」と述べました。水素エンジンの開発を続けると明言したわけではありませんが、マツダにとって“終わったこと”である言い方ではないように聞こえました(私の耳の問題かもしれません)。トヨタの水素エンジン開発を引き金にマツダやBMWも盛り上がってくれたら、クルマの選択肢はカーボンニュートラル時代にも狭まりません。

 スバルはトヨタと共同開発するSUVタイプのEVの車名が「SOLTERRA(ソルテラ)」だと発表しました。2022年半ばまでに、日本と北米、欧州、中国などで発売します。共同開発したEV専用プラットフォームを採用するのでトヨタの「bZ4X」の兄弟車的存在だと考えられますが、デザインや走りなどをどこまでトヨタと差別化するのか気になります。

 いろいろなクルマを用意することは決して簡単ではなく、財務上の負担も大きいのですが、いろいろなクルマがある方がクルマ社会が豊かでいいですよね。2021年度は前年度に負けず劣らずハードな1年になりそうですが、前向きな話題も増えてほしいなと思います。

→過去の「自動車業界の1週間を振り返る」はこちら

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