グローバル戦略で生産実績に明暗、日系自動車メーカーの2019年4〜9月:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
日系乗用車メーカー各社の2019年度上期(2019年4〜9月)の生産実績は、メーカーによって明暗がはっきりと分かれる結果となった。グローバル生産台数では、トヨタ自動車、ホンダ、ダイハツ工業の3社は上期として過去最高を更新した。一方で、日産自動車、スズキ、マツダ、三菱自動車の4社は前年同期の実績を下回った。
日系乗用車メーカー各社の2019年度上期(2019年4〜9月)の生産実績は、メーカーによって明暗がはっきりと分かれる結果となった。グローバル生産台数では、トヨタ自動車、ホンダ、ダイハツ工業の3社は上期として過去最高を更新した。一方で、日産自動車、スズキ、マツダ、三菱自動車の4社は前年同期の実績を下回った。中国やインド、東南アジアの自動車市場が低迷しており、各社の異なるグローバル戦略が生産台数にも反映された。
2019年9月 | 2019年4〜9月 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
国内 | 海外 | 合計 | 国内 | 海外 | 合計 | |
トヨタ | 292,499 | 460,944 | 753,443 | 1,715,818 | 2,836,088 | 4,551,906 |
21.3 | ▲ 4.5 | 4.1 | 14.9 | ▲ 2.0 | 3.7 | |
ホンダ | 65,259 | 364,937 | 430,196 | 443,797 | 2,176,886 | 2,620,683 |
▲ 18.2 | 0.8 | ▲ 2.7 | 6.8 | ▲ 0.2 | 1.0 | |
日産 | 73,152 | 379,460 | 452,612 | 390,131 | 2,049,902 | 2,440,033 |
▲ 2.1 | 3.0 | 2.1 | ▲ 12.6 | ▲ 7.7 | ▲ 8.5 | |
スズキ | 75,173 | 171,105 | 246,278 | 444,296 | 1,020,617 | 1,464,913 |
▲ 14.0 | ▲ 15.1 | ▲ 14.8 | ▲ 11.0 | ▲ 18.5 | ▲ 16.4 | |
ダイハツ | 83,832 | 71,090 | 154,922 | 463,150 | 386,360 | 849,510 |
6.4 | 22.2 | 13.1 | 6.3 | 3.4 | 4.9 | |
マツダ | 84,838 | 40,537 | 125,375 | 503,267 | 222,019 | 725,286 |
5.3 | ▲ 13.5 | ▲ 1.6 | 9.1 | ▲ 24.8 | ▲ 4.2 | |
三菱 | 55,047 | 71,404 | 126,451 | 300,589 | 362,290 | 662,879 |
▲ 13.5 | 11.0 | ▲ 1.2 | ▲ 5.0 | 1.3 | ▲ 1.7 | |
スバル | 58,880 | 26,252 | 85,132 | 325,789 | 172,157 | 497,946 |
▲ 0.3 | ▲ 18.7 | ▲ 6.8 | 2.2 | ▲ 0.2 | 1.3 | |
合計 | 788,680 | 1,585,729 | 2,374,409 | 4,586,837 | 9,226,319 | 13,813,156 |
※上段は台数、下段は前年比。単位:台、% |
2019年上期で過去最高の売上高と純利益を確保したトヨタ自動車は、グローバル生産台数が455万1906台と前年同期比3.7%増加した。前年を上回ったのは3年ぶりで、生産台数としても上期として過去最高となった。内訳は、国内生産が171万5818台。3年ぶりの前年超えで前年同期比11.4%増と大幅に増加した。これは2019年1月から生産を開始した北米向け新型「カローラセダン」の台数増などが寄与した。
同社の海外生産は前年同期比2.0%減の283万6088台で、前年同期を下回ったのは2年ぶりだ。主要拠点である北米とアジアの前年割れが響いた。北米では2019年3月からカナダで「RAV4」の生産を開始したものの、「カローラ」の生産をカナダから米国へ移管したこともあり、北米トータルの生産台数は前年同期に比べて1.4%減の96万4113台と3年ぶりのマイナスだった。2019年9月単月ではRAV4、カローラの生産が好調なため前年同月比4.0%増の16万932台とプラスを確保した。
アジアは前年同期比1.6%減の128万5139台で、4年ぶりのマイナスだった。このうち中国は「イゾア/C-HR」と「アバロン」の生産開始がプラス要因となったものの、RAV4の新型への切り替えに伴う生産調整を実施しており、前年同期比2.0%増の68万4672台だった。RAV4の影響は続いており、2019年9月単月でも前年同月に比べてマイナスとなっている。アジアでは2番目に生産量の多いタイは市場減退の影響で低迷しており、前年同期比2.2%減の29万4139台にとどまった。インドネシアも市場が冷え込んでおり、同5.4%減だった。タイは2019年9月単月でも前年割れとなっており、依然として回復していない。さらに厳しいのがインドで、前年同期比28.3%減と大幅な減産を余儀なくされている状況だ。
トヨタ自動車傘下のダイハツ工業も好調に推移した。グローバル生産は前年同期に比べて4.9%増の84万9510台だった。4年連続で増加し、上期としては過去最高を更新した。国内生産は、軽自動車やトヨタ自動車向けOEM(相手ブランドによる生産)車の登録車などが好調に推移し、2年ぶりに前年を上回るとともに過去最高の台数となった。海外もマレーシアが増加し、4年連続のプラスとなり、過去最高を記録した。2019年9月単月でも好調に推移しており、国内、海外、グローバルの全ての生産項目で9月としては過去最高を更新した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.