コネクテッドカーなどモビリティデバイス上の情報を仮想的に統合する基盤を発売:製造ITニュース
富士通は、モビリティデバイス上の情報を仮想的に統合して管理する基盤「FUJITSU Future Mobility Accelerator Digital Twin Collector」を発売した。デバイスが記録したデータのうち、メタデータだけをクラウド管理することで通信量を低減する。
富士通は2021年4月22日、コネクテッドカーやスマートフォンなどのモビリティデバイス上の情報を仮想的に統合して管理する基盤「FUJITSU Future Mobility Accelerator Digital Twin Collector(Digital Twin Collector)」を発売した。
同基盤は、対象のモビリティデバイス上で記録したデータをクラウドに保持せず、メタデータのみを管理することで、クラウドのデータ容量や通信量を低減する。これにより、これらにかかるコストを従来比で50%削減する。
また、トラフィックスケジューラー機能がモビリティデバイスのデータ複製要求を制御するため、データ供給の遅延を招く大量通信を抑えて、安定したデータ通信が可能になる。
データカバレッジ制御機能を搭載しており、類似データの複製を抑止する。同時に、網羅性を確保し、データ分析やサービス品質を均質化する。
同社では、Digital Twin Collectorの主な用途として、損害保険業務の効率化および高度化や道路管理業務の高度化、車両故障分析などを想定している。
価格は、モビリティデバイスに分散するデータを仮想的に統合し管理する基本サービスが1台あたり月額2円から(税別、10万台から契約可能、別途データアクセス料金が必要)。要件定義支援やセットアップなどのオプションサービスも提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- モビリティサービスが自動車市場に与えるインパクトはプラスかマイナスか
世界各国で普及が進むモビリティサービスだが、自動車市場にどのような影響を与えるのだろうか。中国と米国、欧州、そしてインドでどのような変化が起こるかを予想する。 - MaaSは鉄道など公共交通や都市計画にどのような影響を及ぼすか
フィンランド発で、モビリティのサービス化を示す「MaaS(Mobility as a Service)」という一大ムーブメントが起こってきた。公共交通機関やレンタカー、タクシー、レンタサイクルなどを組み合わせて、人の移動をシームレスに行うサービスを示す言葉だ。では今後、MaaSが普及すると、モビリティやサービス変革のみならず、都市交通や都市計画にどのような影響を及ぼすのだろうか。関係者にヒアリングを行った。 - 製造業がDXを進める前に考えるべき前提条件と3つの戦略
製造業にとっても重要になる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に注目が集まっている。本連載では、このDXに製造業がどのように取り組めばよいか、その戦略について分かりやすく紹介する。第1回の今回は、DXを進める中で必要になる前提条件と3つの戦略の概要について紹介する。 - いまさら聞けない「製造業のDX」
デジタル技術の進歩により現在大きな注目を集めている「DX」。このDXがどういうことで、製造業にとってどういう意味があるのかを5分で分かるように簡単に分かりやすく説明します。 - 製造業が「DX」を推進するための3つのステージ、そのポイントとは?
製造業のデジタル変革(DX)への取り組みが広がりを見せる中、実際に成果を生み出している企業は一部だ。日本の製造業がDXに取り組む中での課題は何なのだろうか。製造業のDXに幅広く携わり、インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)のエバンジェリストを務める他2019年12月には著書「デジタルファースト・ソサエティ」を出版した東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター 参事の福本勲氏に話を聞いた。 - データを世界の共通言語に、リアルタイムで製品収益を見える化する安川電機のDX
「データを世界の共通言語に」をスローガンとし「YDX(YASKAWA digital transformation)」として独自のデジタル変革(DX)を進めているのが、産業用ロボットやモーターなどメカトロニクスの大手企業である安川電機である。安川電機 代表取締役社長の小笠原浩氏に「YDX」の狙いについて話を聞いた。