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データを世界の共通言語に、リアルタイムで製品収益を見える化する安川電機のDX製造業×IoT キーマンインタビュー(1/2 ページ)

「データを世界の共通言語に」をスローガンとし「YDX(YASKAWA digital transformation)」として独自のデジタル変革(DX)を進めているのが、産業用ロボットやモーターなどメカトロニクスの大手企業である安川電機である。安川電機 代表取締役社長の小笠原浩氏に「YDX」の狙いについて話を聞いた。

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 第4次産業革命などデジタル技術を活用した産業変革の動きが広がりを見せている。製造業でもスマートファクトリー化や、「データ」を基軸としたサービスビジネス構築など、さまざまな変化が生まれている。しかし、多くの製造業にとってはこれらの変革の土台そのものができておらず、価値を享受できない状況が生まれている。

 こうした中で「データを世界の共通言語に」をスローガンとし、「YDX(YASKAWA digital transformation)」として独自のデジタル変革(DX)を進めているのが、産業用ロボットやモーターなどメカトロニクスの大手企業である安川電機である。

 安川電機では2017年からデジタルデータマネジメントを通じて顧客課題の解決を図るというソリューションコンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を展開しているが「YDX」はその土台として安川電機の企業内のデジタル化を推進し、デジタル技術をベースとした新たな基盤を作る取り組みである。安川電機 代表取締役社長の小笠原浩氏に「YDX」の狙いについて話を聞いた。

本連載の趣旨

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ITmedia産業5メディア総力特集「IoTがもたらす製造業の革新」のメイン企画として本連載「製造業×IoT キーマンインタビュー」を実施しています。キーマンたちがどのようにIoTを捉え、どのような取り組みを進めているかを示すことで、共通項や違いを示し、製造業への指針をあぶり出します。
⇒連載のバックナンバーはこちらから


部門や子会社ごとに異なるデータの取り扱い

MONOist 「YDX」はいつから、どのようなきっかけで取り組み始めたのでしょうか。

小笠原氏 「DX」が日本で大きく注目されるようになったのは「2025年の崖」などが指摘された経済産業省の「DXレポート」からだと考えるが、安川電機の中では、発想そのものは「DX」という言葉がなかったような時期からあり、2003〜2004年頃から検討してきた。デジタルデータマネジメントを通じて顧客課題の解決を図る「アイキューブ メカトロニクス」を構想していたのとほぼ同時期で、これらの新たなビジネスモデルを展開するのにおいて、企業としてのインフラ側も整備しなければ「いつか大変なことになる」と感じたのがきっかけだ。

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安川電機 代表取締役社長の小笠原浩氏

 ただ、将来的に「アイキューブ メカトロニクス」で描いたような新たなビジネスモデルと「YDX」で描く新たなビジネス基盤はつながる構想ではあったものの、当時はインフラ側のデジタル化はそこまでは到底考えられないような状況だったのが現実だ。

 拠点や子会社ごとに出張旅費の精算方法や伝票などが異なるなど、商流やお金の流れそのものが異なっており、1つの製品当たりでどれだけの開発リソースが掛かっているのかを見ることもできない状況だった。そこで、2025年までの長期経営計画「2025年ビジョン」の一環としてデジタル経営を実現するのに「YDX」を推進することを決めた。

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赤枠部分が「2025年ビジョン」の中での「YDX」の位置付け(クリックで拡大)出典:安川電機

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