いすゞが2023年度までの中計、ボルボやUDとのシナジーは最終年度に330億円:製造マネジメントニュース
いすゞ自動車は2021年5月13日、2024年3月期(2023年度)までの中期経営計画を発表した。最終年度に売上高2兆7500億円、営業利益2500億円を目指す。2020年10月に戦略的提携に関する基本契約を正式に締結したボルボグループや買収したUDトラックスとのシナジーは、2024年3月期に330億円、2026年3月期に500億円と見込む。
いすゞ自動車は2021年5月13日、2024年3月期(2023年度)までの中期経営計画を発表した。最終年度に売上高2兆7500億円、営業利益2500億円を目指す。2020年10月に戦略的提携に関する基本契約を正式に締結したボルボグループや買収したUDトラックスとのシナジーは、2024年3月期に330億円、2026年3月期に500億円と見込む。
新しい中計では、2021年3月期までの中計で整えた成長基盤を最大限活用して事業拡大と収益性向上につなげる。生産に関しては、UDトラックスと開発や物流、生産、購買で連携する他、ピックアップトラックなどのLCVはタイと南アフリカ、インドの3拠点を活用。いわゆるCASEに関わる分野では、アライアンスでの共同開発を推進する。
商品展開や販売、サービスに関しても、UDトラックスと連携してサービス拠点網の活用を推進する。LCV事業は新型車の世界展開に取り組む。カミンズとの包括契約を結んだパワートレイン事業はグローバルな顧客拡大を加速させる。
新中計以降の事業拡大に向けては、大型車におけるUDトラックスとのプラットフォーム共通化、LCVのフルモデルチェンジ、日本国内の基幹システム刷新や藤沢工場の効率化への投資を実施する。中計の3年間で設備投資は3000億円、開発費は3400億円を投じる。
カーボンニュートラルに関しては、2040年までに対応したラインアップを確立するため、2030年代に電動化した主要モデルの販売拡大に取り組む。2020年代は技術の見極めや一部車両タイプでの電動車量産、社会実装の本格化に取り組む期間と位置付ける。2022年に小型商用車のEV(電気自動車)の量産と、大型商用車のFCV(燃料電池車)のモニターを開始する。小型商用車のFCVの実証走行は、トヨタ自動車や日野自動車と設立した新会社「CJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ)」を通じて検討中だ。一部の電動車で市場投入を開始し、量販に向けた商品改良も進めていく。
バイオ燃料や再生可能エネルギー由来の合成燃料などカーボンニュートラル燃料の普及に備えて、内燃機関の開発も継続する。
物流への取り組みとしては、故障予防による稼働のサポートと、運行管理やコネクテッドサービスの2つを挙げた。稼働サポートは故障予防による稼働保証で、UDトラックスも含めてメーカーと販売会社が連携して取り組む。運行管理やコネクテッドサービスは協調領域と位置付け、物流事業者が“OEMフリー”で使えるよう、同業他社や架装メーカーなどと協力して共通プラットフォームを構築する。
自動運転技術は、アライアンスのパートナーと協力して開発を加速させる。これまで、高速道路や自動車専用道路向けには、日系商用車メーカー各社と協力した隊列走行、UDトラックスによるレベル4の自動運転など実証を進めてきた。一般道向けには、市街地の自動配送を想定した私有地での走行実験を行っている。今後は港湾や限定区域、市街地などさまざまなユースケースを踏まえた安全性の向上や無人化の効果検証、普及に向けた取り組みに注力する。
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