ここからは新たに拡張した門真工場で取り入れた工夫を見ていこう。
機内エンターテインメントシステムの生産工程は、基板実装、オプティカルボンディング、材料倉庫/配膳、完成組み立て、製品検査、包装、PMA(Parts Manufacturer Approval)検査の7つに分かれている。これらのうち基板実装から完成組み立てまでの工程は、今回の拡張を行った2階の工場敷地内で行われる。
基板実装ラインは従来の2本から4本に倍増した。また、新たな工夫として、ライン間の作業者の移動を容易にするために表面実装とリフローの工程の間を分割している。分割スペースには、表面実装済みの基板をリフロー炉に自動で投入するための移動式コンベヤーがあるので、直結型の実装ラインと同水準の自動化ができているという。
オプティカルボンディングは、大型ディスプレイとタッチパネルの貼り合わせの際に発生しやすいエアギャップを透明樹脂で埋める工程だ。エアギャップが残っていると反射や映り込みが発生しやすくなるため、品質を高めるという観点で重要である。室内照明がオレンジ色になっているのは、UV(紫外線)に反応する透明樹脂に影響を与えないためだ。
今回の生産拡張で最も大きな変更を行ったのがAstrovaの完成組み立てラインである。拡張前は1本のラインで全ての組み立て作業を行っていたが、拡張後は6本のラインを使って組み立てており、生産能力はそのまま従来比で6倍になっている。
これら6本のラインは、ペリフェラルバーで2本、電源ボックスで2本、モニターで1本。、リモートジャックで1本という構成になっている。中でもペリフェラルバーについては、新たに1個流しの生産ラインを構築した。部品組み付けなどの各工程を担当する作業者の作業内容はカメラで記録/分析しており、ベストなタクトタイムになるように管理しているという。
完成組み立てを終えた製品は、2階の工場スペースから1階に移して製品検査、包装、PMA検査を行う。このうちPMA検査は、機内エンターテインメントシステムの出荷作業では非常に重要であり、FAA(米国連邦航空局)から権限移譲されたパナソニック アビオニクスの3人の認定検査員がいることで、日本国内で生産した製品を世界に出荷する体制が支えられている。
なお、門真工場では、今回の生産拡張に合わせて、パナソニック コネクトグループに傘下にあるブルーヨンダーのSCM(サプライチェーンマネジメント)ソリューションも導入した。販売、パーツ供給、修理という3つの業務に関するスケジューリングを自動化しており、2026年9月から稼働しているという。加藤氏は「これまでExcelベースのシステムだったのに対し、ベストなオペレーションになるような最適化ができている」と述べている。
パナソニック アビオニクスが門真工場の拡張を完了、最新製品の生産能力は6倍に
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