韓国でAIスタートアップが活発になる中、AWSの支援によってIPO(新規株式公開)に至るまで成長した企業が、自動車向けにAIベースのカメラ認識技術を開発するSTRADVISIONだ。同社は2014年に韓国で創業して以降、AWSのソリューションを通じて事業の成長やAIエコシステムにおけるブランドイメージを確立した。AI学習のトレーニングサイクルを2倍高速化するとともに、評価サイクルを50%短縮することに成功している。
STRADVISIONは、0〜5の自動運転レベルのうち、レベル2、レベル2+、レベル3に注力して事業を展開している。STRADVISION Chief Operating Officer(COO)のTaesan Kwon(テサン・クォン)氏は「これらの自動運転レベルに注目する理由は、欧州や日本、オーストラリア、韓国などの規制タイムラインに従い、安全機能を全ての車両に導入する必要があるためだ。中国やインドでも2027年から新型モデルに対して安全機能の搭載が求められている。ゴールドマン・サックスの調査によると自動運転のレベル2+およびレベル3の市場割合は2027年の約25%から、2034年には約52%に達すると見込まれ、大きな成長機会が存在する」と強調する。
STRADVISIONはAIを活用した認識技術を開発し、自動車向け認識技術の課題であった新しいハードウェアが出るたびにソフトウェアの最適化や移植コストが発生してしまう部分に対し、どんなハードウェアやSoC(System on Chip)を使用しても連携/移植ができるソフトウェアを作ることを目指して事業を展開している。
同社が展開するAI認識ソフトウェア「SVNet」は30種類以上の半導体チップと連携が可能だ。ADAS(先進運転支援システム)向けの運転支援プロダクトである「フロントビジョン」、駐車支援向けプロダクトである「サラウンドビジョン」、より高度な自動運転(ハンズオフ/完全自動運転向け)のプロダクトであり、2027年以降の展開を目指す「マルチビジョン」の3つのコアプロダクトによって構築されている。
STRADVISIONのソフトウェアが持つ最大の強みは軽量化である。Kwon氏は「通常、AI処理は大容量データを扱うため高価で高消費電力なチップが必要となり、プレミアム車両(高級車)にしか搭載できない。しかし、当社のソフトウェアは十分に軽量化されているため、一般的な低消費電力チップでも動作し、あらゆる価格帯の車両に搭載可能で、さまざまなメーカーのチップに対応している」と語る。
さらに同社はLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)ではなくカメラのみにフォーカスした、自動車向けのAI認識技術の開発/提供を進めている。Kwon氏は「自動車メーカーやティア1サプライヤーがワイドアングルやテレフォトなど異なるカメラを選択した場合、焦点距離や距離感が異なってしまう。当社のソフトウェアはカメラの種類に応じて距離を推定するのではなく、AIに直接距離感を学習させているため、距離推定の手間や誤差の積み重なりを防いでいる」と述べる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
モビリティの記事ランキング
コーナーリンク