極細センサーワイヤに透明アンテナ――カーエレクトロニクスの最前線を追う人とくるまのテクノロジー展2026レポート(3/4 ページ)

» 2026年06月11日 06時00分 公開
[関行宏MONOist]

AIシステムの安全性を検証――キーサイト・テクノロジー

 計測器メーカーのキーサイト・テクノロジーは、車載イーサネットのコンプライアンステストソリューションを出展した。

キーサイト・テクノロジーが提供する車載イーサネットのテストソリューション キーサイト・テクノロジーが提供する車載イーサネットのテストソリューション。左側が10BASE-T1Sレシーバーテストソリューション、右側が光車載イーサネットテストソリューションである[クリックで拡大]

 SDV(ソフトウェアデファインドビークル)へのシフトも一因となって、より大容量のデータを伝送できるイーサネットの採用が広がっており、トランスミッタ、コネクター、ハーネスおよびレシーバーで構成される車載ネットワークの伝送品質やノイズ耐性の試験がより重要になっている。

 そうしたトレンドに対してキーサイト・テクノロジーは、オシロスコープ、デジタルサンプリングオシロスコープ、ベクトルネットワークアナライザ、任意波形発生器などの計測器を組み合わせたテストソリューションを提供中だ。

 今回はドイツのBitifEye Digital Test Solutionsと共同開発した10BASE-T1Sレシーバーテストソリューションのデモシステムを展示した。PHYのコンプライアンステストの他、レシーバーのBER(ビット・エラー・レート)の検証、マルチドロップテスト機能などに対応している。計測器としてはミックスドシグナルオシロスコープの「MXR608B」を組み合わせていた。なお、10BASE-T1Sは、ツイストペアケーブルで10Mbpsの伝送が可能な規格で、マルチドロップ型のトポロジーに対応しており、主にエッジネットワーク用途として注目されている。

 また、10Gbpsを超える光イーサネットを対象にした「nGBASE-AU 光車載イーサネットテストソリューション」も展示した。IEEE 802.3cz Amendment7やOpen Alliance TC7テストハウス仕様に準拠し、高度な信号品質評価が可能である。計測器としてはデジタルサンプリングオシロスコープの「DCA-M N1092A」が対応する。

 車載ネットワークでは10Gbpsクラスの実装はまだ一般的ではないが、将来に向けた布石の意味も含めテスト環境を提案していく。

 AI(人工知能)の安全性を検証するライフサイクル型フレームワーク「AX1000A AI Software Integrity Builder」も出展した。AIは車載を含めてさまざまな分野に普及しつつあるが、間違った回答を返すことがある(ハルシネーション)、判断の根拠がブラックボックスとなって分からない、データセットに偏りや欠陥があっても見逃されがち、実運用での安全性の保証が困難、といった課題が指摘されている。

AIの安全性を検証するライフサイクル型フレームワーク「AX1000A AI Software Integrity Builder」 AIの安全性を検証するライフサイクル型フレームワーク「AX1000A AI Software Integrity Builder」。学習に使用した画像データの平均を取ったときに、色相(hue)に偏りがあることを示したデモ[クリックで拡大]

 AX1000A AI Software Integrity Builderは、AIをガラスボックス化するフレームワークである。データセット分析(偏りや欠損の検出)、モデル検証(重視した特徴量や隠れた相関関係の提示)、推論テスト(学習時と実環境での相違やコーナーケース)など、AIシステムの安全性をライフサイクルで検証し改善を図っていく。

 AIシステムの安全性を対象にしたISO/PAS 8800:2024などの国際規格も策定され、自動車メーカーやサプライヤーはいずれ対応を迫られることは確実だ。同社は車載AIシステムへの提案を進めていく。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
Special SitePR
あなたにおすすめの記事PR