半導体検査装置向け2030年150億円へ、コニカミノルタのロードマップとはFAニュース(1/2 ページ)

コニカミノルタは半導体検査装置向け光学コンポーネント事業説明会を開催。既存のVIS(可視光)/UV(紫外線)領域でのシェア拡大と、次世代の主戦場となるDUV(深紫外線)領域への進出を柱とする成長戦略を明らかにした。

» 2026年03月23日 07時30分 公開
[長沢正博MONOist]

 コニカミノルタは2026年3月18日、オンラインで半導体検査装置向け光学コンポーネント事業説明会を開催。既存のVIS(可視光)/UV(紫外線)領域でのシェア拡大と、次世代の主戦場となるDUV(深紫外線)領域への進出を柱とする成長戦略を明らかにした。

波動光学を武器に多様化する検査項目に対応

 コニカミノルタでは、2021〜2022年度に半導体検査装置向け光学コンポーネントを注力領域に設定し、2022〜2025年度にかけて設備投資や技術獲得を行ってきた。

 AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)が普及する中で、半導体市場は今後も拡大が見込まれている。ただ、さらなる性能の向上を図る半導体の微細化などによって、半導体製造の高度化や検査項目の多様化が進み、検査装置に求められる性能が大きく変化。光学コンポーネントが、検査性能を左右する中核部材になっている。

コニカミノルタが培ってきた光学技術 コニカミノルタが培ってきた光学技術[クリックで拡大]出所:コニカミノルタ

 コニカミノルタでは光を波として捉えて、その振る舞いそのものを制御する波動光学と呼ばれる領域に注力している。それは、光を直進する線として捉える幾何光学にとどまらず、にじみや乱れなどを含めた光が波として持つ性能をまとめ、狙い通りの光の振る舞いを作り込むことを意味する。

 半導体検査装置用の対物レンズはnm級の欠陥を見分ける必要があるため、波動光学を前提に設計、加工、評価までを一貫して制御することが価値になる。高分解能、高NA(開口数)、高透過率などの光学性能を同時に満たし、量産で再現することが求められる。

光学コンポーネントは重要パーツに[クリックで拡大]出所:コニカミノルタ

 コニカミノルタはカメラを祖業として、カメラ用交換レンズ、光ディスク用ピックアップレンズ、高輝度プロジェクター用レンズなどを手掛けてきた。その中で、球面レンズの高精度加工や薄膜コーティング、ハイエンド光学設計、評価/位置合わせなどの技術を蓄積してきた。

 コニカミノルタ 執行役員 光学コンポーネント事業部長の野村由之氏は「当社の技術の芯は、光を波として制御する、高難易度領域で鍛えられてきた点にある。設計や加工だけでは成立しないため、設計、加工、評価、補正のループを回し切ることが競争力になる」と語る。

3つのコア技術が強み、顧客との長年の連携で共創

 コニカミノルタは、“高い競争力を持つ特定の検査装置メーカー”と10年近く連携し、開発、製造に取り組んできた。同社のコア技術は設計、加工、評価の3つに分かれる。

コニカミノルタの強み[クリックで拡大]出所:コニカミノルタ

 設計では単に像を結ぶのではなく、欠陥が最も検出しやすい見え方になるよう、光の広がりやにじみ方まで含めて制御する設計が必要になる。加工でも高い品質が求められる。レンズ形状や表面形状、材料のわずかなばらつきが性能劣化として現れ、分解能や検出安定性に直結するからだ。評価では、出来上がった光学部品が狙い通りの性能を実現しているかを見極め、その結果を設計や加工にフィードバックする評価力が不可欠となる。

「当社は、設計、加工、評価を同じ波動光学という一つの言葉でつなぎ、検査装置の性能向上に直接貢献する再現性の高い光学コンポーネントを提供している。近年、検査装置メーカーにとって共に性能を作り込むことができるメーカーが、それぞれの経営方針に沿って、撤退または非注力化する動きがあり、当社の位置付けが単なる供給者からパートナーに変わった要因となっている。半導体検査装置向け光学コンポーネントは、メインサプライヤーの供給が不安定化しており、その供給を当社が担うことでシェア拡大につながる」(野村氏)

2つのステップで半導体分野のシェア拡大に挑む

 半導体検査装置向け光学コンポーネント市場は約2000億円超とみる。現在、コニカミノルタの光学コンポーネントが使われているのは、主に半導体製造の前工程だ。

ウエハー欠陥検査装置や検査装置向け光学コンポーネントの市場規模 ウエハー欠陥検査装置や検査装置向け光学コンポーネントの市場規模[クリックで拡大]出所:コニカミノルタ

 前工程では、ウエハーに傷が付いていないか、ウエハー欠陥検査装置を用いて検査が行われる。ウエハー欠陥検査装置は、求められる精度により、使われる波長がVIS(可視光)/UV(紫外線)とDUV(深紫外線)に分かれる。その際に、nm単位の微細な欠陥をにじませず、ノイズに埋もれさせず、安定して検出できるかどうかが重視されるという。

 波長が短いほど微細な欠陥を見つけやすくなるため、短波長化は検査の高精度化に直結する。半導体デバイスの微細化が進むほど、検査や計測に求められる光学の波長も短くなり、光学系で許容される波面誤差も厳格になる。より高いレベルのレンズの面精度が求められる。

ターゲットとなる波長領域[クリックで拡大]出所:コニカミノルタ

 AIやデータセンターで使われるロジック半導体やメモリ半導体の需要増で、ウエハー欠陥検査装置市場は今後も高い成長が予想される。コニカミノルタは2つのステップでシェア拡大に取り組む。

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