AUTOSARの“AR”はアーキテクチャに由来、アーキテクチャ設計にどう使うのかAUTOSARを使いこなす(40)(1/4 ページ)

車載ソフトウェアを扱う上で既に必要不可欠なものとなっているAUTOSAR。このAUTOSARを「使いこなす」にはどうすればいいのだろうか。連載第40回は、AUTOSARの最後の2文字“AR”を意味するアーキテクチャと、アーキテクチャ設計におけるAUTOSAR活用について考えてみる。

» 2026年02月13日 06時00分 公開
[櫻井剛MONOist]

はじめに

 大雪の中、今回の記事を書いています。

 筆者は新潟県で在宅勤務していますが、ほぼ毎週出社や出張があり、大雪が降った1月19日(月)〜23日(金)は関東/中部に出張しました。

 1月23日(金)の夜に帰宅し、バスに乗車した時、そして、恐る恐る駐車場をのぞいたときの光景がこちらです(図1、2)。

図1 図1 コンパクトカーと、その上&周囲に5日間で降り積もった90cmの雪[クリックで拡大]
図2 図2 車線ごとに雪の壁で分離されてしまっている交差点(バス車内より)[クリックで拡大]

 翌週も降り続き、既に屋根の雪下ろしも行いましたし、先のクルマはいまだに埋もれたままです(屋根の雪を下すので精いっぱい)。

 そして、図2のように、交差点の中は「車両が通ること」でできた雪壁が林立しています。

 さて、筆者にとっては3本目となるMONOistでのこの連載シリーズ「AUTOSARを使いこなす」ですが、2018年の開始からなんと8年、そして今回で第40回目となります。

 連載が打ち切られずに続けられるのは、拙文ながらも皆さまからご覧いただけているということによるものです。御礼申し上げます。

 2025年末に、副業としての個人事業も開始しました。

 2026年は、編集部、副業側のお客さまやAUTOSAR日本事務局関係者など、さまざまな方々とご相談しながら、いつクロージングを迎えても心残りがないように、書き進めていきたいと思います(実は本連載開始当初、皆さまからのご意見/ご要望に基づき双方向型で進めていきたいと考えていましたが、その点についてはなかなかうまくいっていません。その点での「心残りを残さない」というのは筆者にとっての大きなチャレンジです)。

 今回は、「AUTOSARの“AR”は、アーキテクチャ(architecture)の“AR”」というお題で行きたいと思います。

 どんな方向に進んでいくのかは、読んでのお楽しみということで、少しお付き合いください。

AUTOSARおよび筆者からのお知らせ

 本編に入る前に、4点のお知らせです。

1)AUTOSARコアパートナー(Core Partner)の構成企業の変化と新体制の発表

 AUTOSARの戦略的/技術的方針は、コアパートナー各社により決定されます。

 これまで長らく同じ9社がコアパートナーとしてAUTOSARを主導してきましたが、2026年にその構成企業に変化がありました。

 日本からは、これまでのトヨタ自動車に加え、新たにデンソーがコアパートナーとなりました。

 また、中国のファーウェイ(Huawei)、ドイツのベクター(Vector Informatik)も加わっています。

 合わせてコアパートナーではなくなった企業もあり(引き続きAUTOSARパートナーではあります)、現在のコアパートナー数は10社です。

 また、新体制でのChairperson Team構成およびSpokesperson交代のアナウンスも行われています(2025年にベルギーのブルージュで開催された「AUTOSAR Open Conference」では、前SpokespersonのGunter Reichart氏の退任がアナウンスされていました)。

 詳しくはAUTOSARのWebサイトをご覧ください。

2)AUTOSAR Newsletter 2025-Q4

 四半期ごとに発行しているAUTOSARのニュースレターですが、今回も日本語版がございます(他に英語版、中国語版がございます)。

 以前はAUTOSARパートナー限定でお送りしておりましたが、現在はどなたでもご覧になれますので、ぜひ、ご一読くださいませ。

 ここでは概要のみご紹介いたします。

  • AUTOSARリリースイベント2025:2025年12月4日に開催された本イベントでは、AUTOSAR R25-11での変更内容や今後のロードマップをご紹介しました。ニュースレター内では、イベント講演およびQ&Aセッションの動画が公開されています(イベント講演当日は、英語、日本語、中国語の字幕付きでした)。ですから、R25-11での変更/拡張内容のご紹介につきましては、今回は見送りといたします
  • 第17回AUTOSAR Open Conferenceのご案内: 2026年6月10日から上海で開催予定です(6月9日は前夜祭あり)。講演者の募集は終了しましたが、スポンサー募集および来場者登録は継続しています。宿泊予約が難しくなっているとの情報もありますので、お申し込み、旅行手配はお早めに(なお、筆者は今回不参加予定です)。また、昨今の情勢により、ご所属の企業の方針で中国渡航が制限されているなどのご事情がある方、差支えなければお知らせいただけましたら、状況をAUTOSAR側に共有いたします
  • AUTOSAR All WG meeting 2026:2026年3月23日の週、ドイツのダルムシュタットで開催です。AUTOSAR標準化活動参加者が一堂に会するイベントです(標準化活動参加が可能なパートナー資格をお持ちの方限定)。こちらも宿泊予約が難しくなってきているとの情報があります(筆者は日本事務局としてではなく標準化活動メンバーとして参加しますが、もしも、ご参加に不安があるなどございましたら、筆者にお気軽にご連絡ください(連絡先はこちら
  • CAPI(Common Adaptive Platform Implementation)のご紹介
  • 各地域のハブ活動のご紹介(最近は中国での地域活動が活発です)

3)中国でのAUTOSAR Adaptive Platform(AP)利用状況のレポート

 中国でのAPの利用状況についてのアンケート調査が行われました。調査結果も公表されています。日本とはだいぶ違う景色も見えてくると思いますので、ぜひご一読をお願いいたします。

 なお、中国のUG-CN(中国の地域User Group)活動は大変活発です。

 ここ日本との温度差を生み出す要因にご興味をお持ちの方は、ぜひ先のニュースレターなどもご覧いただければ、それも垣間見えてくると思います(筆者なりの見解や心当たりもありますが、そこに誘導してしまわないためにもあえてここでは書かずにおきます。もしも議論をご希望の方は、AUTOSAR Japan HubのWebサイトに掲載している連絡先宛にご連絡いただければと思います)。

4)国内活動の予定

 AUTOSAR UG-ET(Education and Training)では、国内活動を有志で開始しています。

 欧州側からのカリキュラム提案のレビューなどを行っていますが、既存のコースの目次を羅列しただけのものもあり、「これで一体何ができるようになるといえるのだろう?」と、対応に苦慮しています(今回のお題は、実は、このことに少し起因しています)。

 また、国内でのイベント開催の検討/準備も進めています。

 「人とくるまのテクノロジー展2026 in YOKOHAMA」にもブース出展を予定しています。詳しくはAUTOSARのWebサイト をご覧ください。

 また、AUTOSAR日本事務局の立場ではございませんが、2月18日開催のリョーサンテクラボのウェビナー『SDV革命:AUTOSARが拓く次世代モビリティの未来〜基礎から解る「SDV」と「AUTOSAR」の最新トレンド〜』に講演者として出演することとなりました。

 筆者のLinkedInでは、公私どちらについてもご紹介してまいりますので、ぜひブックマークやつながり申請などをお願いいたします。

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