コニカミノルタはペロブスカイト太陽電池関連技術でGXを推進 その技術戦略とは脱炭素(2/3 ページ)

» 2026年01月30日 07時30分 公開
[坪田澪樹MONOist]

カーボンマイナス達成の後押しをしているコニカミノルタの製品とは何か

 コニカミノルタのカーボンマイナスに貢献している製品として、「シネマ用プロジェクタレンズユニット」がある。同製品は、同社が長年取り組んできたカメラ事業で培った光学設計や研磨などの精密加工技術を生かした、DCI(Digital Cinema Initiatives)規格に準拠した高精度の光学ユニットである。DLP(Digital Light Processing)シネマ用途ではで60%以上のシェアを誇っている。

 これらのレンズユニットによって、シネマ用のプロジェクターは高輝度のレーザー光源を画質劣化なく投影可能とし、キセノンランプよりも高精細な投影を実現でき、耐久性も高い。そのため、映画館やシネマ市場で高い事業価値を発揮している。同社が磨き上げてきた技術は、現在急伸している半導体製造装置向けの高精度光学製品の開発/製造という新たな産業領域へも展開している。

 また、レーザー光源での高精細な投影が可能になることで、キセノンランプからレーザー光源への置き換えが推進され省エネ化にも貢献しており、導入前後でCO2排出量を1年あたり約17万8000トン(30%)削減できる。

シネマ用プロジェクタレンズの詳細[クリックして拡大] 出所:コニカミノルタ

 産業用インクジェットヘッドもCO2排出量削減に大きな貢献を果たしている。この製品は、商業用/産業用の印刷用インクジェットヘッドである。同社のフィルム事業で培ったケミカル技術による高耐久化や用途/顧客に対するカスタマイズ適正により、商業/産業印刷に広く適用可能なインクジェットヘッドのラインアップを構成している。

 このようなインクジェットヘッドを提供することで、商業/産業分野の印刷デジタル化を推進し、刷版作成を不要とした小ロット/多品種印刷の適用範囲を拡大している。刷版作成を不要とすることで環境負荷の低減にも貢献しており、それに伴ってCO2排出量を年間約4万トン削減している。また、VOC(Volatile Organic Compounds)排出量の削減にも貢献している。

商業/産業印刷用インクジェットヘッドの詳細[クリックして拡大] 出所:コニカミノルタ

 コニカミノルタの成長事業の1つであるプリント基板向けのインクジェットソルダーレジストについては、ケミカルと精密加工技術をベースにし、基板への定着性に優れたインクと、このインクを安定かつ高精度で持続的に打てる高耐久なインクジェットヘッドを提供している。現在主流のプリント基板にソルダーレジストを形成する工程では、所望の位置にソルダーレジストを形成するために、基板の全面にインクをコーティングし、その後に仮乾燥、UV露光、現像といった工程を経て、基板上で狙った位置にソルダーレジストを形成し、必要ない部分は洗浄除去するという方法「フォトリソグラフィ方式」をとっている。

 コニカミノルタの技術を使えば、ソルダーレジスト形成のインクジェット化により、このソルダーレジスト形成工程を大幅に簡略化できる。インクジェット方式では最初から塗りたい部分だけにインクを塗布できるので、必要ない部分を洗浄除去する工程を削減可能だ。ソルダーレジスト形成をインクジェット化し工程を大幅に簡略化することで、生産性向上を実現できるというわけだ。

 同時に環境面では、工程削減による電力の使用抑制によって、CO2排出量を年間約50万トン(50%)削減している。今後は従来のフォトリソグラフィ方式からのインクジェット方式に置き換えが進むにつれて、インクジェットソルダーレジストの順次拡大を目指す。また、同製品はVOCや工業排水の排出抑制にも貢献する。

インクジェットソルダーレジストの詳細[クリックして拡大] 出所:コニカミノルタ

 センシング技術に関わる領域でも、CO2排出量削減に貢献している。同社のセンサー「ハイパースペクトルイメージング」は、非破壊で化学物質の判別を可能にする技術を有しており、広範囲の波長を捉えることで樹脂成分の判別などが可能となる。また、非破壊で高度な判別検査も行うことができる。

 この技術によって、黒色の樹脂やナイロンといった素材の分別、目視では判定できないような製品も判別/分別が可能になり、分別リサイクルの対象を拡大できる。ハイパースペクトルイメージングはインラインでの選別機搭載も可能なため、リサイクルメーカーでの混合廃棄物の高純度な選別に貢献できる。

 これにより、従来は選別が難しく、結果として熱としての回収(サーマルリサイクル)というプロセスを通るしかなかった廃棄物のマテリアルリサイクルを促進し、廃棄物の熱回収を回避できる。2025年度見込みでCO2排出量を年間約6万9000トン削減でき、省資源化の観点ではリサイクル業界でのごみの自動選別による資源の有効活用にも貢献している。

ハイパースペクトルイメージングの詳細[クリックして拡大] 出所:コニカミノルタ

 葛原氏は「2025年度のインダストリー事業のCO2削減貢献量はは29万トンだが、2028年度にはプラス約30%の拡大を見込んでいる。この成長は、シェアNo.1製品に加えて、今後成長をけん引する製品を中心に事業を拡大することで実現を目指していく」と語る。

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