日本にとっての米国は長い間輸出でも、輸入でも最大の相手国であり続けました。近年では輸入では中国が最大相手国となっていますが、輸出先では今なお最大相手国です。
米国との貿易については、2022年以降は円安ドル高が進むとともに、2025年からは関税に関する混乱が続いています。では、2024年の時点で、どのような状況だったのでしょうか。大きな変化の前とはなりますが、数値的な事実関係を確認しておくことは非常に意義があると考えます。
具体的に対米国では、どのような項目の輸出入が活発なのか、サンキーダイヤグラムで可視化してみましょう(図2)。
2024年の対米国の貿易では、輸出が141.6[10億ドル]、輸入が85.0[10億ドル]で大きく輸出が超過しています。
輸出でも輸入でも大半を占めるのが、やはり工業製品です。特に「電気電子機器、機械・装置」と「自動車・その他の輸送機器」は大きく輸出が超過していますね。両方合わせると78.5[10億ドル]の輸出超過となっています。そのうち、自動車の輸出は52.3[10億ドル]、輸入は1.8[10億ドル]と30倍近くもの差(差引で50.5[10億ドル])があります。自動車の輸出入の不均衡だけで、純輸出のほぼ全額に匹敵する差分が生じていることになります。米国側が日本からの自動車の輸入に対して特に神経質になるのも納得がいくのではないでしょうか。
また、「電気電子機器・機械・装置」の中では、機械と装置の不均衡が大きいようです。機械/装置の輸出金額は27.2[10億ドル]、輸入は5.4[10億ドル]となっていて、差引21.8[10億ドル]の輸出超過となっています。日本は工作機械や半導体製造装置など、装置産業にも強みがあるといわれていますが、対米国の輸出入にもそれが表れています。
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