三菱電機、NTT東日本、CC-Link協会は、IOWNの中核技術となるAPNを活用して、CC-Link IE TSNを実装した産業用機器同士が、最大1600km離れた拠点間でリアルタイム通信できることを実証した。
三菱電機、NTT東日本、CC-Link協会は2025年10月8日、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)の中核技術となるオールフォトニクスネットワーク(APN)を活用し、CC-Link IE TSNのリアルタイム通信を実証したと発表した。CC-Link IE TSNを実装した産業用機器同士が、最大1600km離れた拠点間でリアルタイムに通信できた。
今回の実証技術については、2025年11月19〜21日に東京ビッグサイトで開催される「IIFES2025」のCC-Link協会のブースで紹介する。
実証では、東京都調布市の「IOWN Lab」に設置したマネジャー局搭載シーケンサーと、約20km離れた千代田区の「eXeFIELD AKIBA」に設置したローカル局搭載シーケンサー、リモートI/OをAPNの実回線で接続した。
さらに、OTN Anywhereの遅延調整機能を利用し、疑似的に青森〜下関に相当する距離(最大1600km)を再現。CC-Link IE TSN Class Bによる通信で、ノード間の同期精度が1マイクロ秒以下であることを確認した。安全通信機能も有効で、遠隔地間でも機能安全を確保できる可能性が示された。
今回の成果により、APNを通じて遠隔地の産業用機器を「高速リアルタイム」「高精度同期」「安全通信機能」を維持したまま監視、制御できる見通しが得られた。将来的にはデジタルツインのリアルタイム化による生産最適化や、トラブル時のダウンタイム短縮にもつながると見込まれる。
3者は今後も実証を重ねて、製造現場のデジタル化とリモート化を支援するソリューションを提供し、日本のモノづくりの課題解決と競争力強化に貢献する。
いまさら聞けないCC-Link IE TSN入門(前編)
いまさら聞けないCC-Link IE TSN入門(後編)
産業用ネットワークのオープン化の現状と今後
TSNを構成する「時刻同期」と「時分割」とは
TSNがなぜ産業用ネットワークで注目されているのか
制御層に無線LAN導入へ、無線機器で初の無線認証クラスA取得 CC-Link IE TSN想定Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Factory Automationの記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム