情報通信総合研究所は、企業における生成AI導入の現状と展望に関するアンケート結果を発表した。導入は大企業が先行し、中小企業では低調が続いている。
情報通信総合研究所は2025年9月4日、企業における生成AI(人工知能)導入の現状と展望に関するアンケート結果を発表した。導入は大企業が先行し、中小企業では低調が続く。従業員の個人利用率は14.9%(前年8.4%)に伸びた。
調査は、同年7月11〜17日に実施。全国の就業者に対して行い、9万6156人から回答を得た。業種別では、情報通信業や金融業、保険業が先行する一方、運輸業、郵便業や各種サービス業は依然10%前後にとどまる。未導入の理由は「利用用途、シーンがない」が最多で、中小企業で顕著となっている。大企業では「情報漏洩などセキュリティが心配」が次点に挙がる。
同社は、幅広いユースケースの共有と、活用方法を分かりやすく示すコンテンツ整備が導入促進の鍵だとする。自律的に計画し実行する「エージェントAI」の導入はまだ少数だが、「業務効率化」や「残業、負担の軽減」を狙った活用が始まり、生産性の向上が期待される。
今後は、中小企業でも暗黙知の継承に向け、テキストだけでなく行動、会話、映像など多様なデータを収集、学習できる環境整備が課題となる。AIへの取り組みの遅れは、社会経済の変化への対応力を損ねるリスクがあるとしている。
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