ペルノックスは、生体電極業界の海外依存を断ち、供給の安定化を狙う、国産の生体電極用フィルム「SilkyLink MFX-1100」と生体電極用ペースト「Pertron K-398X」シリーズを発表した。
ペルノックスは2025年8月21日、国産の生体電極用フィルム「SilkyLink MFX-1100」と生体電極用ペースト「Pertron K-398X」シリーズを発表した。生体電極業界の海外依存を解消し、供給の安定化を目指す。既に複数の大手メーカーで評価が進んでおり、2026年の本格供給開始を見込む。
SilkyLink MFX-1100は、切って貼るだけで電極化でき、X線透過性と高い屈曲性を備える。ポリウレタン基材を採用しており、独自の銀塩化銀インクを導電性カーボン配合層に約3μmで均一コーティングすることで、導電性の安定化と品質再現性を高めた。X線撮影時も装着したまま運用でき、手術でのワークフロー短縮が見込まれる。心電、脳波、筋電などの生体インピーダンス計測に加え、pHやイオン計の参照電極など電気化学センサー用途にも広く適用可能だ。
Pertron K-398Xシリーズは、スクリーン印刷で任意形状に対応し、用途別に銀塩化銀比率を調整できる。エポキシ系バインダーと粒径3〜5μmのフィラー分散制御で、印刷性と電極性能を両立している。130℃×20分の短時間硬化、室温24時間のポットライフ、長時間連続印刷に対応する。短期から長期使用まで4段階の配合を用意し、生体インピーダンス測定から医療、分析、産業分野の電気化学センサー参照電極まで幅広い設計要求に対応する。
国内市場では、フィルム、ペーストともに海外製が主流で、品質のばらつきや3〜6カ月の長納期、為替や地政学リスク、さらにPVC基材の廃棄制約といった課題が顕在化していた。
同社は、国産サプライでリードタイムと為替影響を抑えつつ、PVCフリーで環境規制にも先行対応できるとしており、品質管理体制と供給網の整備を急ぐ。生体電極の信頼性確保とデバイス設計自由度の向上を両輪で支えることで、国内バイオセンサーの競争力強化を狙う。生体電極業界の海外依存を解消し、供給の安定化を目指す。
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