矢野経済研究所は、RFIDソリューション世界市場の調査結果を発表した。2024年の度市場規模は前年比110.8%となる1兆6431億円で、2027年には2兆3379億円規模と予測している。
矢野経済研究所は2025年5月7日、RFID(Radio Frequency Identification)ソリューション世界市場の調査結果を発表した。
同調査によると、RFID ICタグとハードウェア、関連ソフトウェアを合計した2024年のRFIDソリューション世界市場規模は、前年比110.8%となる1兆6431億円となった。世界全体でアパレルを中心とした流通や小売分野への出荷が堅調に伸びており、その他にも製造業や医療分野、運輸、物流業などさまざまな業界で拡大傾向にある。
RFIDは、ユーザー企業の製造や物流、販売、サービス、物品管理などの業務を効率化するが、コスト削減効果の検証には数値で可視化できない「+α」まで踏み込んだ提案が重要だ。例えば、RFIDを導入しない場合の人件費を除外することで、導入の効果を検証できる。これに加え、RFIDの導入で従業員の離職状況を改善できるという、+αの効果も期待される。
現在、幅広い業界で業務効率化を目指し、RFIDソリューションの導入が進んでいる。将来的には、労働力不足を補う形での業務効率化や、トレーサビリティー情報をデジタル形式で記録する「DPP(Digital Product Passport)」の需要拡大などの影響により市場が拡大する見込みだ。
これらを背景に、2027年の同世界市場は2兆3379億円規模になると予測している。また、国内でも、慢性的な人手不足や労働時間規制などの影響で業務効率化の必要性が高まるなか、多くの業界でRFIDの活用が拡大することが期待されるとしている。
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