次に、サイバートラストマーク版コンパニオンガイドでは、「サイバートラストマーク向けサイバーセキュリティ認証」(関連情報)のセキュリティ管理項目について、クラウド固有の管理策を設定している。
サイバートラストマーク認証では、シンガポール情報通信メディア開発庁(IMDA)がボストンコンサルティンググループと提携して開発した「デジタルアクセラレーションインデックス(DAI)」(関連情報)のデジタル成熟度指標に準拠して、以下の通り、5つのサイバーセキュリティ対応準備段階を設定している。
図3は、各サイバーセキュリティ対応準備段階とサイバートラストマークのセキュリティ管理策の関係をマッピングしたものである。
この中でスタートアップ期の小規模企業が該当する「Tier 1:Supporter」についてみると、以下の10項目のセキュリティ管理策をマッピングしている。
上記のうち、*の付いた項目は、SaaSセキュリティに係るサイバーエッセンシャルズマークと共通の管理策になるので、SaMD/Non-SaMDを開発、提供する企業も、利用するクラウドインフラストラクチャプロバイダーの管理策について掌握しておくことが望ましい。
そして表1は、Tier 1からTier 5に至る組織のデジタル成熟度の成長段階に応じた追加的なセキュリティ管理策を示したものである。
一般的にクラウドインフラストラクチャを提供するメガクラウドサービス事業者の場合、既に「Tier 5:Advocate」レベルのセキュリティ管理策を装備しており、膨大な量のセキュリティ関連資料をユーザー向けに公開している。これに対してスタートアップ期のSaMD/Non-SaMD事業者は、セキュリティ管理に係る組織づくりや技術的対策が発展途上にあり、メガクラウドサービス事業者やエンドユーザーとの間にギャップが存在するのが普通だ。従ってSaMD/Non-SaMD事業者は、自社のデジタル成熟度を認識した上で、その成長度合いに応じたセキュリティ管理策の優先順位付けを行い、継続的に向上させていく必要があろう。
なお、サイバートラストマーク版コンパニオンガイドの一環として、「サイバートラスト向けAWSクラウドセキュリティコンパニオンガイド」(関連情報、PDF)、「サイバートラスト向けファーウェイクラウドセキュリティコンパニオンガイド」(関連情報、PDF)も公開されている。
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