ホンダの11月のグローバル生産台数は、前年同月比20.4%減の32万9987台と4カ月連続のマイナスだった。このうち海外生産は、同21.3%減の26万6137台と4カ月連続で減少。8社の海外生産で最も大きな落ち込み幅となった。
中でも中国は、EV市場の競争激化により販売が低迷。これを受けて生産調整を実施した他、生産能力の適正化を目的に広汽ホンダと東風ホンダの各1工場の稼働を休止。その結果、11月の中国生産は前年同月比38.4%減と大きく減らし、4カ月連続で前年実績を下回った。アジアトータルも同35.7%減と7カ月連続で減少した。販売が好調の北米も前年の生産が高水準だったため、同5.7%減と3カ月ぶりにマイナスとなった。
国内生産も伸び悩む。前年同月比16.3%減の6万3850台と、2カ月連続で前年実績を下回った。前年が新型「N-BOX」の投入に合わせて増産対応していたことの反動が表れた。一方、輸出は北米/アジア/欧州向けと全地域で伸長し、同38.1%増と3カ月ぶりに増加した。
日産自動車の11月のグローバル生産は、前年同月比14.3%減の27万1980台と6カ月連続のマイナス。8社の順位では10月に続きスズキを上回り3位だったが、台数差は2306台と拮抗している。このうち国内生産は、同10.8%減の6万1231台と9カ月連続のマイナス。北米の主力モデルである「エクストレイル/ローグ」の台数を減らしたことが響いており、輸出も同18.0%減と低迷し、2カ月ぶりに前年実績を下回った。
海外生産はさらに落ち込み、前年同月比15.2%減の21万749台と6カ月連続で前年実績を下回った。米国は「ローグ」の台数減により同30.9%減と7カ月連続のマイナス。一方、メキシコは新型「キックス」が増加したことで同8.4%増と4カ月連続で増加した。中国は「シルフィ」の減少で同26.2%減と低迷が続いており、6カ月連続のマイナス。英国も「キャシュカイ」の減少により同32.8%減と6カ月連続で減少した。
スズキの11月のグローバル生産は、前年同月比2.7%増の26万9674台と6カ月ぶりにプラスへ転じた。このうち海外生産は同6.6%増の18万3151台と6カ月ぶりのプラス。8社の海外生産で最も高い伸びを示した。世界生産の6割超を占めるインドは、「フロンクス」や「ブレッツァ」などSUVの好調により同13.8%増と2カ月連続で増加し、11月として過去最高を更新した。ただ、インド以外の海外生産は同37.9%減と大きく落ち込んでおり、21カ月連続で減少した。
国内生産は、前年同月比4.8%減の8万6523台と4カ月連続のマイナスだった。2024年9月に投入した「スペーシアギア」などは好調だったものの、欧州向け「イグニス」の生産終了などがマイナス要因となった。輸出も同22.6%減と2カ月連続で減少した。
最も落ち込んだのがダイハツ工業だ。11月のグローバル生産は、前年同月比26.0%減の11万7945台と4カ月連続のマイナスだった。
これは法規対応で一部車種の生産を停止した国内生産が前年同月比39.6%減の5万559台と4割近く減らしたのが要因で、4カ月連続で前年実績を下回った。8社で最も大きな落ち込み率となった。特に登録車は「トール」およびトヨタ向けOEM(相手先ブランドによる生産)供給する「ルーミー」などの生産を停止したことで同75.1%減と急減。軽自動車も同27.6%減と低迷した。
海外生産も伸び悩み、前年同月比11.0%減の6万7386台と、6カ月連続で減少した。インドネシアが同18.5%減と低迷した他、10月に過去最高を更新したマレーシアも同1.1%減と減少に転じた。
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