工程時間(PT:Process Time)は、製品が通常の生産状態において、初工程に材料が投入されてから、製品が入庫されるまでの標準所要時間のことで、内外作を含む工程別に設定します。人の動作を科学的に設定する標準時間(ST:Standard Time)と同じレベルの科学的に設定されたリードタイム(Lead Time)ということができます。
PTは、作業工程の始めから終わりまでにかかる所要時間を表します。PTの短縮には、コスト削減、キャッシュフローの向上、サービスの差別化を強化するなどのメリットがあります。ビジネスプロセスごとに、リードタイムを明確に定義し、改善策を検討することが重要です。その具体的な種別として以下の種類があります。
PT分析は、多くの効果が得られることから、ますます注目を浴びることになり広く活用されています。その理由は、先述した通り「どうすればもっと効率的に造れるか」に特化しているからです。主な効果として、以下の項目が挙げられます。
PTの構成は図3に示す通りですが、大きくMt(加工時間)とNt(加工外時間)に分けることができます。さらに、NtはTt(運搬時間)とDt(停滞時間)に分けられます。
Mtとは物の着脱時間を含めて、物が“加工〜組立〜検査”が実施されている正味の時間をいいます。Ntとは、Mt以外の付加価値を高めない物の移動や運搬であるとか停滞や保管時間、段取り時間や余裕時間などです。
TtとDtについては、例えば一貫生産ライン内における物の移動時間やアイドルステーシヨン内の停止時間、物の積込み作業や積卸し作業などがTtになります。また、就業時間内で物が停滞している時間(工程待ち時間、編成待ち時間、運搬待ち時間、内段取り待ち時間など)がDtです。
PTの改善はNtに着眼して実施することから、停滞時間(Dt1〜Dt6)について細分化して管理と改善を行います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.