矢野経済研究所は、ワイヤレスIoT市場に関する調査結果を発表した。2025年以降は、セルラーネットワークにおける5Gへの移行が進むことで、従来のセルラーネットワーク規格は縮小していくことが見込まれる。
矢野経済研究所は2024年5月7日、通信規格別のワイヤレスIoT(モノのインターネット)の市場規模と、分野別の普及動向に関する調査結果を発表した。
2023年度のワイヤレスIoT市場規模は、前年度比20.3%増の2912万デバイスが見込まれている。通信規格別に見ると、セルラーネットワーク、セルラー系LPWAが2200万デバイスで全体の75.5%を占める。次いで、主に電力スマートメーター向けのWi-SUNが632万デバイス(同21.7%)、その他920MHz帯LPWAが80万デバイス(同2.7%)となる見込みだ。
また、2024年度は前年度比8.7%増の3165万デバイスと予測。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時期減速した同市場だが、行動制限の緩和によって保留されていた案件が回復するなどした。現在同市場の中核となっているセルラー系LPWAを含むセルラーネットワークが好調に推移しており、市場拡大をけん引している状況だ。
2025年以降は、セルラーネットワークにおける5Gへの移行が進むことで、調査対象となっている従来のセルラーネットワーク規格(3G、4G、LTE、NB-IoT、LTE-M)は縮小が見込まれる。2030年度は市場全体で2710万デバイスになると予測している。
なお、調査は2023年12月〜2024年3月に、移動体通信事業者、その他通信事業者、業界団体、ITベンダー、ユーザー企業などを対象に行った。
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