トヨタの2024年度は足場固め、モビリティカンパニーに向けた投資加速製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

トヨタ自動車は2024年3月期通期の決算を発表した。

» 2024年05月09日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 トヨタ自動車は2024年5月8日、2024年3月期通期(2023年度)の決算を発表した。2023年度の営業収益(売上高)は前年度比21.4%増の45兆953億円、営業利益が同96.4%増の5兆3529億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同101.7%増の4兆9449億円だった。

 2025年3月期通期(2024年度)の業績見通しは、売上高が前年度比2.0%増の46兆円、営業利益が同19.7%減の4兆3000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同27.8%減の3兆5700億円を見込む。

 「未来に向けた投資」として合計で約2兆円を投じるため、2024年度は営業利益が前年度から減少する。ここには人的資本への投資3800億円、モビリティーカンパニーへの変革に向けた投資1兆7000億円を織り込んでいる。2024年度通期の想定為替レートは1ドル=145円、1ユーロ=160円としている。

2023年度の業績[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車
2024年度の業績見通し[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

連結販売台数の実績と見通し

 2023年度の連結販売台数は、前年度比7.0%増の944万台だった。ダイハツ工業や豊田自動織機に関連した出荷停止の影響があった日本を除く地域で販売が増加した。日本は同3.7%減の199.3万台、北米は同17.0%増の281.6万台、欧州が同15.7%増の119.2万台、アジアが同3.0%増の180.4万台だった。

 電動車の販売比率は、HEV(ハイブリッド車)を中心に増加したことから前年度比7.8ポイント増の37.4%に拡大した。電動車全体では同35.3%増の385.5万台で、このうちHEVが同32.1%増の359.4万台、PHEV(プラグインハイブリッド車)が同60.3%増の14.1万台、EV(電気自動車)が11.7万台で前年度の310.1%だった。

2023年度の連結販売台数[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

 2024年度の連結販売台数は、前年度比0.6%増の950万台を計画している。ダイハツ工業の影響で日本向けの販売は同6.2%減の187.0万台と前年度を下回る見込みだ。北米は同1.9%増の287.0万台、欧州が同2.7%減の116.0万台、アジアは同7.5%増の194.0万台と見込んでいる。

 電動車比率は46.4%に上昇し、電動車全体としては482.7万台を計画する。HEVとPHEVが前年度から2割以上の増加、EVは同46.2%増と予測している。

2024年度の販売見通し[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車
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