ドムケ氏はGitHubにおける開発投資を「開発者向けクラウド」「コミュニティー」「セキュリティ」「AI」の4本柱で進めていく方針を示した。
企業などで用いられるシステムの全てがクラウド化する中で、ソフトウェア開発者の開発環境がローカルのPCにインストールされていることが課題になっている。今後は開発環境がクラウド上に展開されることになることを踏まえて「開発者向けクラウド」を強化する方針である。
GitHubはオープンソースソフトウェアの開発コミュニティーで広く活用されており、既にアプリケーションのコードベースの90%にオープンソースソフトウェアが利用されるようになっている。このことは、オープンソースコミュニティーに用いられるGitHubのセキュリティも充実させなければならないことを意味している。だからこそ、「コミュニティー」と「セキュリティ」が開発投資の対象になるというわけだ。
そして「AI」では、2021年にリリースしたAIペアプログラミングの機能「GitHub Copilot」の開発に引き続き注力していくという。ドムケ氏は「GitHub Copilotのユーザーの利用データをみると、GitHub Copilotが作成したコードの割合が全体の40%を占めていた。AIモデルの学習がさらに進めば、5年後にはコードの80%をGitHub Copilotが作成するようになるのではないか」という見通しを示す。
実際に、100人の開発者を50人ずつの2グループに分けて、GitHub Copilotを使うグループと使わないグループでソフトウェア開発にかかった時間を比較すると、GitHub Copilotありが71分、なしが161分という結果になった。
ドムケ氏は「短期間で開発を完了できることは開発者にとっての幸福感につながる。コーディングへのAI活用が開発者の仕事を奪うという意見もあるが、AIはより大きなタスクに対応し、新たな課題解決に向かうための有効なツールだと考えている。GitHub Copilotのユーザー2000人を対象にした調査でも、75%が満足しているという結果が得られた」と述べている。
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