“つながるモノづくり”目指すIVIの次なる挑戦、カーボンニュートラル推進のカギFAインタビュー(2/3 ページ)

» 2022年07月26日 13時45分 公開
[三島一孝MONOist]

スマートシンキングとCIOFで成果を形に

MONOist 具体的にはどういう取り組みを行ったのでしょうか。

西岡氏 そこでまず、こうした業務シナリオWGで個々に作り上げてきた現場の課題解決の仕組みをベースに、具体的に推進するための考え方や手法をまとめた「スマートシンキング」を2020年に発表した。これは新たな価値を生み出すために、デジタル技術によって、ヒト、モノ、情報がその内部および外部と相互につながった組織をスマート組織と定義し、問題発見、問題共有、課題設定、課題解決のサイクルで得られる知見を組織内で共有し、そのつながりを相互に深めることで、知の生産を行う思考プロセスだ。手法として「なぜなぜチャート」や「ロジックチャート」など16のチャートを用意し、モノづくりの課題をデジタル技術を活用しながら自発的に解決できるスマートな組織構築における具体的な取り組み方を示した。

photo スマートシンキングを基にした実践手法「IVIM」[クリックで拡大] 出所:IVI

 そして、実際にこうしたさまざまな部門で情報を共有するツールとして「コネクテッドインダストリーズオープンフレームワーク(CIOF)」なども用意できた。CIOFは製造現場内で乱立するさまざまなデータフォーマット間の連携を実現するために、既存のプラットフォーム内のシステムやデータ設定などを大きく改変することなく、容易にデータ連携を実現する汎用的なプラットフォームだ。2018年12月に仕様公開し、2019年3月に第1版を正式公開。2022年4月には正式にリリースした。これは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から2019〜2021年度まで3カ年の受託事業として推進したもので、IVIが幹事となりDMG森精機、ジェイテクト、三菱電機、安川電機、SCSK、ビジネスエンジニアリング、アプストウェブなどが参画して進めている。

photo CIOFの特徴[クリックで拡大] 出所:IVI

 長い活動の中でさまざまな実証や検証で、アイデアやコンセプトがようやく手法に落ちて、使えるようになってきた。小さな芽を育てて、ようやくいろいろなところで実際に使えるレベルとなった。これを実際に使っていき、成果を生み出せることを示していく段階に入ったと考えている。

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