2020年の営業利益は製造業全体で約8.6兆円となり、過去10年で金額が最も大きかった2017年の約半分にまで減少した。だが、2021年には製造業全体で約18.0兆円にまで回復し、2017年を上回った(図4)。特に自動車・同附属品製造業やその他の輸送用機械器具製造業を集約した「輸送用機械器具製造業(集約)」「情報通信機械器具製造業」が伸びをみせた。
中小、小規模事業者も含めた直近1年間の売上高と営業利益については、2020年度の調査では約7割の事業者で売上高、営業利益とも減少傾向がみられたが、2021年度の調査では、売上高は約5割、営業利益は約4割が「増加」「やや増加」の動向となっており、半数近くの事業者で回復に転じた(図5、6)。
売上高の増減に影響を与える大きな要因としては、販売数量の増減が挙げられている(図7、8)。営業利益の増減については、売上原価やコストの増減が関わっており、特に営業利益の減少については、売上原価の上昇が大きな要因となっている(図9、10)。
2021年における輸出額の業種別の割合をみると、輸送用機器、一般機器、電気機器などの割合が大きく、製造業が日本の輸出額の多くを占めている(図11)。貿易収支は2018年と2019年は赤字だったが、2020年は食料品、原料品及び鉱物性燃料の赤字幅の縮小や、化学製品及び電気機器の黒字幅の拡大により、収支総額としては黒字回復している(図12)。また、今後3年間の国内外の売上高や営業利益も、約半数の企業で増加する見込みとなっている(図13〜16)。
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