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» 2022年02月08日 08時00分 公開

東芝は3分割から2分割へ、非注力のビル3事業を売却し研究開発体制も確定製造マネジメントニュース(1/3 ページ)

東芝は、2021年11月に発表した3つの独立会社に分割する方針について、東芝本体にインフラサービス事業を残し、デバイス事業のみを分離独立させる2分割案に変更する方針を発表。インフラサービス事業のビルソリューションを構成する空調、昇降機、照明の3事業を非注力事業とし売却する方針も決めた。

[朴尚洙,MONOist]
東芝の綱川智氏 東芝の綱川智氏

 東芝は2022年2月7日、投資家向けの説明会を開催。2021年11月に発表した東芝本体からインフラサービスとデバイスの事業を分離独立させ3つの独立会社に分割する方針について、東芝本体にインフラサービス事業を残し、デバイス事業のみを分離独立させる2分割案に変更する方針を発表した。これにより、事業分割で目指していたインフラサービスとデバイスそれぞれの専門企業としてのスリムな執行体制の構築を可能にしつつ、産業競争力強化法に基づくスピンオフをスムーズに進められるようになるという。

 この他、インフラサービス事業のビルソリューションを構成する空調、昇降機、照明の3事業を非注力事業とし売却する方針を決めた。空調事業を手掛ける東芝キャリアについては、合弁パートナーである米国キャリア(Carrier)に対して、東芝保有分株式55%分を1000億円で譲渡することが決まり、昇降機と照明の事業も2022年度中の最終契約合意を目指して売却プロセスを進める。

 東芝が2021年11月に発表した3分割案では、東芝本体に連結上場子会社の東芝テックと約40%の株式を保有するキオクシアを残し、エネルギーシステムやインフラシステムなどをインフラサービスカンパニー(以下、インフラサービスCo.)に、半導体とHDDなどのデバイス系の事業をデバイスカンパニー(以下、デバイスCo.)に移管という内容だった。今回の2分割案では、東芝本体にインフラサービスCo.とキオクシアを残しつつ、子会社の東芝デバイス&ストレージを中核とするデバイス&ストレージ事業をスピンオフでデバイスCo.として分社する。

3分割案から2分割案に変更した 3分割案から2分割案に変更した[クリックで拡大] 出所:東芝

 もともと3分割案を発表した背景には、東芝本体にキオクシアを置き、キオクシア株式に関わる株主還元方針の実行を確実に進める狙いがあった。しかし、3分割案では、インフラサービスCo.とデバイスCo.の両方をスピンオフするために東芝本体の減資を行う必要性が高く、上場維持に不確実性が残るという課題があった。

 一方で、2分割案にすれば、分割する組織の数を3つから2つに減らせるので、これまでの東芝の経営体制で問題が指摘されてきた「規律あるガバナンス体制」の実効性を担保しやすくなる。加えて、分割コストの大幅な削減、上場審査における実務負担の軽減などさまざまなメリットがある。そこで、3分割から2分割に変更してスピンオフによる会社分割をスムーズに進められるようにしつつ、3分割案の狙いであったキオクシア株式に関わる株主還元方針の実行については、今回の事業分割案について株主意思確認を行うため2022年3月に開催予定の臨時株主総会で、議案の要領として還元方針を明記することにした。

3分割から2分割への変更理由 3分割から2分割への変更理由[クリックで拡大] 出所:東芝

 東芝 代表執行役社長CEOの綱川智氏は「2021年11月の発表から多くの株主との話し合いを重ねる中で、最適解とするために2分割案に改善した。スピンオフによって、インフラサービスCo.とデバイスCo.の価値を顕在化し、専門的な経営体制で素早い事業判断を行えるようにするという基本方針に変わりはない」と説明する。

東芝/インフラサービスCo.とデバイスCo.のビジョンスピンオフ後の両社の概要 東芝/インフラサービスCo.とデバイスCo.のビジョン(左)とスピンオフ後の両社の概要(右)[クリックで拡大] 出所:東芝

 スピンオフ計画については「今回発表の2分割案からのさらなる変更は考えていない」(綱川氏)という。2022年3月の臨時株主総会で2分割案のスピンオフ計画について株主の意向を確認した後、2022年度内に産業競争力強化法に基づく事業再編計画認定の取得を目指す。そして2023年6月開催の定時株主総会で、デバイスCo.をスピンオフするための株式分配について法的拘束力のある決議を行いたい考えだ。なお、2022年3月の臨時株主総会、2023年6月開催の定時株主総会とも、議案の内容や決議形式などは現時点では決定していない。また、産業競争力強化法に基づくスピンオフでは、今回のデバイスCo.の株式分配は取締役会の議決があれば実行できるものの「定時株主総会で株主からの合意を得た上で決定したい」(綱川氏)としている。

スピンオフプロセスのタイムラインスピンオフ完了に向けた諸条件 スピンオフプロセスのタイムライン(左)とスピンオフ完了に向けた諸条件(右)[クリックで拡大] 出所:東芝
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