こうした需要と同社の保有技術を組み合わせて新たに開発を進めているのが青色レーザー加工機である。DDL方式と独自のWBC技術を組み合わせることで、銅系素材の高速での微細加工を実現する。加えて、WBC技術で多波長のビームを集光して1本のビームとして飛ばすために加工物との距離があっても高精度での加工が可能であり、複雑な形状のワークでも容易に加工できる。
パナソニック スマートファクトリーソリューションズでは2022年度中をめどに青色レーザー加工機を製品化する計画だ。現状では、レーザー発振器のスペックは定格出力400W、BPP(ビームパラメータ積)2mm・mrad以下、波長は445±20nmを予定している。外形寸法は1030×1020×1130mmとしている。発売時期は「2023年3月をターゲットにしている」(パナソニック スマートファクトリーソリューションズ DDL事業開発センター 所長の大塚隆史氏)。
製品化に際し、青色レーザーの用途開拓に向けた実証の場として用意したのが今回新たに開設したAMP Connect Labである。大塚氏は「従来の自動車向け溶接などの用途であれば、ある程度顧客やその要望なども既に把握できており、各顧客との共同研究などで進められる。ただ、青色レーザーは新たな用途で使用される可能性も高く、要望がつかみ切れていないところもある。青色レーザーの用途を開拓するための共創の場としてAMP Connect Labを新たに用意した」と狙いについて語っている。
今後はAMP Connect Labにより多くの顧客企業を呼び込み、共同での実証を進めていく。「発売までには50社くらいと実証を行いたい」(大塚氏)としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.