不適切検査受け国際規格認証に一時停止措置、三菱電機の長崎製作所:品質不正問題
三菱電機は2021年7月29日、同社の長崎製作所(長崎県西彼杵郡)による鉄道車両用空調装置などの不適切検査が判明したことを受けて、「ISO 9001認証」および「IRIS(国際鉄道産業標準)認証」が一時停止されると発表した。
三菱電機は2021年7月29日、同社の長崎製作所(長崎県西彼杵郡)による鉄道車両用空調装置などの不適切検査が判明したことを受けて、「ISO 9001認証」および「IRIS(国際鉄道産業標準)認証」が一時停止されると発表した。認証機関であるロイドレジスタークオリティアシュアランスリミテッドから措置に関する通知を受けた。
三菱電機は2021年6月30日に、長崎製作所で製造する鉄道車両用空調装置の一部において、不適切な検査がなされていたことを発表した。購入仕様書の記載と異なる内容の検査を実施した他、一部検査の不実施や、顧客に提出した検査製作所への不適切な数値記載などを行っていたことが判明している。
今回一時停止の対象になったISO 9001認証は、品質マネジメントシステムに関する国際規格であり、「一貫した製品・サービスの提供」および「顧客満足の向上」を実現する上で必要な要求事項で構成されている。また、IRIS認証はISO 9001認証をベースとした国際規格で、特に鉄道業界の品質マネジメントに特化した内容となっている。
三菱電機は今後、一時停止措置の早期解除に向けて全力で取り組むとコメントしている。
⇒その他の「品質不正問題」の記事はこちら
- 三菱電機の新社長に専務の漆間啓氏、危急存亡の危機を「変革」で乗り切る
三菱電機は、新たな代表執行役 執行役社長、CEOに、代表執行役 専務執行役を務める漆間啓氏が就任したことを発表。鉄道車両用空調装置などの不適切検査をはじめとする品質問題や、労務問題、不正アクセスによる情報流出問題を受けて前任の杉山武史氏が辞職する意向を示しており、漆間氏はその後任となる。
- 三菱電機は検査不正の連鎖を断ち切れるか、杉山社長が新体制に託し辞任へ
三菱電機は長崎製作所が製造する鉄道車両用空調装置などにおける不適切検査の調査結果について説明。1985〜2020年にかけて約80社に納入した約8万4600台の鉄道車両用空調装置など対象。同社 執行役社長の杉山武史氏は、新たな経営トップの下での調査実施と再発防止に向けて社長を辞任する方針を明らかにした。
- 相次ぐ品質不正、その発生原因と検討すべき対応策
品質不正の連鎖は収束する気配を見せません。品質不正は一企業の問題で済むことでなく、産業全体の停滞を招く可能性も十分にあります。本連載では相次ぐ品質不正から見える課題とその処方箋について、事例を交えつつ全7回で解説します。
- 三菱電機グループが品質体制の調査結果を公表、一部で不適切行為
三菱電機は2019年8月2日、国内全事業所と同社子会社を対象に実施した「品質保証体制の再点検」の調査結果を公表した。同社グループ会社の菱三工業(神戸市)で不適合品の出荷などがあった他、同社グループの一部製品で顧客要求の検査漏れなどがあった。
- 三菱電機グループ、品質保証の不適切行為が新たに判明
三菱電機は2019年3月5日、同社グループの一部製品で関係機関への申請不備や品質管理上の不適切行為があったことを明らかにした。また、国土交通省は同日、同社製エレベーターの一部製品で国土交通大臣認定に不適合な仕様であることを公表した。
- 三菱電機子会社、不適切検査を発表――該当製品は253種783万個にも
三菱電機と同社子会社のトーカン(千葉県松戸市)は2018年12月4日、トーカンが製造したゴム製品の一部において、顧客仕様を満足しない、または検査未実施で出荷を行っていたことを発表した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.