Zuoraは2021年4月16日、世界中で展開されているサブスクリプションサービスの最新動向を調査したレポート「サブスクリプション・エコノミー・インデックス」の最新版に関する説明を行った。調査では、サブスクリプションビジネスを導入した企業はコロナ禍でも高いレジリエンスを発揮することが示唆された。
Zuoraは2021年4月16日、世界中で展開されているサブスクリプションサービスの最新動向を調査したレポート「サブスクリプション・エコノミー・インデックス(SEI)」の最新版に関する説明を行った。調査では、サブスクリプションビジネスを導入した企業はコロナ禍でも高いレジリエンス(復元力、適応力)を発揮することが示唆された。
Zuoraは世界中の企業を対象に、サブスクリプションビジネスを導入した企業の売上高成長率などの調査結果をまとめたSEIを公開している。調査対象となったのは、Zuoraのサブスクリプションサービスを2年以上運用している企業である。
SEIではサブスクリプションビジネスを導入した企業と、米国経済指標の1つであるS&P500に採用された企業との売上高成長率の比較を行った。2012年時点の売上高を100%とすると、サブスクリプションビジネス導入企業は2020年には437%の売上高成長率を達成した一方で、S&P500採用企業の成長率は130%にとどまった。
年間収益成長率を見ると、サブスクリプションビジネス導入企業は2019年期末から2020年期末にかけて21%の成長率を達成したのに対して、S&P500採用企業は3%となった。また新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響下においても、S&P500採用企業と比較すると、サブスクリプションビジネスを導入した企業は年間収益成長率を高水準で維持できている。
サブスクリプションビジネス導入企業がコロナ禍でも高い成長性を示している点について、ZUORAのシンクタンクSubscribed Instituteで会長を務めるAmy Konary氏は「サブスクリプションビジネス導入企業は販売取引を中心とした従来のビジネスと比べて、顧客との継続的な関係性構築に焦点を当てている。これが市況的に厳しい環境下でも高水準のレジリエンスを発揮することにつながっている。物理的な製品を販売する企業がサブスクリプションサービスを提供することで、店頭での販売機会が減少しても収益を確保できるようになる」と指摘した。
なお、レポート内には製造業の収益成長率についても言及がなされている。サブスクリプションサービスを導入した製造業各社は2018年期初から2020年末までの間に150%の成長率を達成したのに対して、S&P500に採用された製造業各社は90%に低下した。
利用客の視点から見ると、サブスクリプションサービスは従来の売り切り型サービスと比較してアクセス可能なコンテンツ数が多い上に、コストを抑えやすく、利便性も高いというメリットもある。またZuoraの調査では、サブスクリプションサービスの利用顧客のうち約64%が「(売り切り型サービスと比較して)企業との強いつながりを感じる」と回答したという結果が得られており、Konary氏は「サブスクリプションサービスは顧客との関係性構築や、顧客満足度の向上といった施策を実現しやすい。こうした特徴は企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上でも重要な要素となるだろう」と説明した。
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