AWS上で21億要素超の大規模モデル演算実施、高い並列性能を確認 : CAEニュース
エムエスシーソフトウェアとソフトウェアクレイドルは、AWSのクラウドサービス環境上で、熱流体解析ソフトウェア「Cradle CFD」のソルバーを使用し、21億要素を超える大規模モデルでのクラスタ性能評価を実施した。
エムエスシーソフトウェア(MSC)は2021年3月17日、Amazon Web Service(AWS)が提供するクラウドサービス環境上で、熱流体解析ソフトウェア「Cradle CFD」のソルバーを使ったクラスタ性能評価を実施し、優秀な並列性能を確認したと発表した。ソフトウェアクレイドル(クレイドル)との共同検証で、過去最大の2596コア、21億要素を超える大規模モデルでのクラスタ性能評価となる。
競技場周りの風解析 出典:エムエスシーソフトウェア
両社が稼働検証を実施したのは、Cradle CFDに含まれる構造格子系熱流体解析システム「STREAM」ソルバーを使った競技場周りの風解析(21億744万2400要素)と津波解析(5598万5336要素)、非構造格子系熱流体解析システム「scFLOW」ソルバーを使った航空機周りの遷音速圧縮性流体解析(7億8731万8354要素)などの大規模モデルの演算だ。
今回の検証により、クレイドルの熱流体解析ソフトウェアは、2000コアを超える大規模な並列計算でも高い並列性能を発揮した。クレイドルの既存オンプレミス環境(1044コア)と比較しても、AWSのHPCクラスタ上で、高速なノード間通信など大規模かつ高並列の流体解析に必要となる性能を十分に備えていることが確認できた。
解析結果 出典:エムエスシーソフトウェア
⇒ その他の「CAE」関連ニュースはこちら
コロナ禍に役立つハンズフリードアオープナーの設計製造手法に迫る(後編)
オフィス内での新型コロナウイルス感染症対策に役立つ製品として、手のひらを使わずに腕でドアを開くことのできる「ハンズフリードアオープナー」。このハンズフリードアオープナーを自社で設計製造した電通国際情報サービスの取り組みについて紹介する。今回の後編では、CAEの活用と、位相最適化、ラティス構造最適化などについて説明する。
「富岳」で新型コロナ飛沫の大量計算を実施、感染リスクはどこにある?
理化学研究所のスパコン「富岳」を用い、コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する飛沫の飛散シミュレーションが実施されている。理化学研究所が独自開発する流体シミュレーションソフトウェア「CUBE」による飛散シミュレーションの概要、注目すべき結果などについて、理化学研究所 計算科学研究センター チームリーダー/神戸大学大学院システム情報学研究科 教授の坪倉誠氏に話を聞いた。
ヤマ発が語る、バイク開発に不可欠な「ほこり入り解析」の新手法とその妥当性
ヤマハ発動機は、オンラインイベント「3DEXPERIENCE CONFERENCE JAPAN 2020 ONLINE」において、「モーターサイクルのほこり入りCFD解析について」と題し、CFDソリューション「PowerFLOW」をモーターサイクル(オートバイ)開発に適用した取り組みについて紹介した。
「姫野ベンチ」の生みの親が語るCFDの実務適用の勘所
構造計画研究所は「SBDソリューションカンファレンス2019」(会期:2019年5月10日)を開催した。本稿では、理化学研究所 情報システム部 研究開発部門 コーディネータの姫野龍太郎氏の特別講演「CFDの実務適用の勘所」について取り上げる。
特許出願は技術者にとっての「タグ付け」、CAEで強い特許を取る方法とは
知財戦略は企業が市場を獲得を狙ううえで非常に重要だが、その意義が十分に理解されているとは言い難い。また技術者による特許への向き合い方もさまざまで、数百もの特許を出願する人がいる一方で、ノルマとしての関わりにとどまる人も多いのが現状といえる。
スケール感の異なるモデルが混在してもシステム全体で安定したメッシュ生成/電磁界解析を実現
アンシス・ジャパンはオンライン記者説明会を開催し、高周波3次元電磁界解析ソフトウェア「Ansys HFSS」の最新バージョン「Ansys HFSS 2021 R1」に搭載された新技術「Ansys HFSS Mesh Fusion」の詳細について説明した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.