2020年10月20〜23日にオンラインイベントとして開催された「CEATEC 2020 ONLINE」のキーノート講演として、ソニー代表執行役副会長の石塚茂樹氏が登壇した。「ニューノーマル社会にソニーが提供する新たな価値」をテーマとし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による変化を踏まえ、その中でテクノロジーにより人々が安心してエンタテインメントを楽しめる新たな価値について提言した。
2020年10月20〜23日にオンラインイベントとして開催された「CEATEC 2020 ONLINE」のキーノート講演として、ソニー 代表執行役副会長の石塚茂樹氏が登壇した。「ニューノーマル社会にソニーが提供する新たな価値」をテーマとし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による変化を踏まえ、その中でテクノロジーにより人々が安心してエンターテインメントを楽しめる新たな価値について提言した。
ソニーは、その存在意義(Purpose)として「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たすこと」に置く。Purposeに基づいて人(ユーザーとクリエイター)を軸とした長期視点での事業を通じて、人々が存在する社会、地球環境に貢献することを目指している。これらを土台とし、ソニーはコロナ禍においても「日常の課題を解決し、感動あふれる生活をもたらす」ための手法を、テクノロジーを用いて追求することを目指しているという。
こうしたコンセプトのもと、人々が感動でつながるためには人、社会、地球が健全であることを前提とし、多様性を守る環境への取り組みを進めている。
事業面では、新たな宇宙感動事業の創出を目的に、2020年8月には、東京大学、JAXAと共にソニーのカメラを搭載した人工衛星の開発を発表した。
この取り組みについて、石塚氏は「宇宙から美しい地球の姿を高画質で届けることにより、宇宙の中の地球ということを再認識し、地球をより大切にする思いを育むことにつながる。こうした思いがより多くの人に共有されるよう貢献していく」と意欲を示した。
また、現在は海洋プラスチックごみによる環境悪化が叫ばれているが、ソニーはプラスチック使用を減らす生活を目指し、海洋プラスチックごみ対策アクション「One Blue Ocean Project(ワンブルーオーシャンプロジェクト)」を2019年に開始している。
事業内での使い捨てプラスチックの使用量削減や海岸清掃などともに、製品と包装材のプラスチック使用量削減、再生プラスチックの積極採用を推進している。具体的には2025年までに製品1台当たりのバージンプラスチック使用量を、2018年度比で10%削減を目指す。加えて、新規設計の小型製品におけるプラスチック包装材を全廃する。
これらは、海の生態系の多様性を守ることが目的であり、その多様性をソニーは「持続的に社会的価値を創出し続ける上でも大切にしている価値観の1つだ」(石塚氏)としている。
石塚氏は「ソニーが進める全ての事業の軸は人であり、感動コンテンツを通して、人の心を動かし、技術を生かして人と人をつなぎ、安全、安心、健康への貢献を通して、人を支えるという幅広い事業を世界11万人の社員が展開している。多様な人材が多様な事業を創り出し、事業を通じて多面的に社会環境に貢献していく考えだ」と述べている。
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