開発製造工程の文書管理を効率化、アルプスアルパインがAI-OCRを導入:製造IT導入事例
アルプスアルパインが、シナモンのAI-OCR「Flax Scanner」を導入した。フォーマットが固定されていない文書も高い精度で読み取ることが可能で、業務全体の効率化を推進できる。
シナモンは2020年5月21日、同社のAI-OCR技術を活用した、非定型帳票対応の「Flax Scanner(フラックス・スキャナー)」を、アルプスアルパインに提供開始したと発表した。
アルプスアルパインでは、電子部品や車載情報機器の開発、製造、販売、管理の工程で、さまざまな種類の文書を大量に作成、処理している。同社で取り扱う文書は、異なる目的や形式で作成されており、その管理や参照に多くの人手が必要だった。それらの文書には設計図面なども含まれ、フォーマットが固定されていなかったり、記述内容が詳細で多岐にわたることから、文書の管理や検索を困難にしていた。
今回導入を開始したFlax Scannerは、シナモンが提供するAI-OCR(人工知能を組み込んだ光学式文字認識機能)だ。従来のOCRでは対応できなかった、フォーマットが固定されていない文書も高い精度で読み取ることができる。また、表の読み取りや検索機能、差分チェックなどの機能も備える。これらの機能により、後続業務との連携を図ることで、業務全体の効率化を推進することができるという。
今後両社は、Flax Scannerの適用を進め、業務効率化の効果を最大化していく。
「Flax Scanner」のAI-OCR導入イメージ(クリックで拡大) 出典:シナモン
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