新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響が国内製造業に広がっている。既にトヨタ自動車とマツダに続いて、日産自動車、三菱自動車、ホンダ、スズキも国内工場の操業を停止する。また、ソニーやルネサス エレクトロニクスも海外生産を中心に影響が出始めている。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響が、国内製造業に広がっている。既にトヨタ自動車とマツダが、海外市場の需要急減を受けた国内工場の操業停止を発表しているが、日産自動車、三菱自動車、ホンダ、スズキも国内工場の操業を停止する方針だ。また、ソニーやルネサス エレクトロニクスも海外生産を中心に影響が出始めている。
日産自動車は2020年3月27日、COVID-19による自動車市場の需要状況に対応した、国内3工場における生産調整の計画を発表した。追浜工場(神奈川県横須賀市)は、同年4月3日、13日、24日、5月1日の4稼働日、栃木工場(栃木県上三川町)は、4月6〜22日と5月1日の14稼働日について車両生産を停止する。日産自動車九州(福岡県苅田町)は、4月2〜30日の全稼働日について昼勤のみの車両生産を行い、5月1日は全日で車両生産を停止する。
なお、追浜工場は「リーフ」や「ノート」、栃木工場は「フーガ」や「スカイライン」、日産自動車九州は「セレナ」や「エクストレイル」などを生産している。
三菱自動車は3月27日、サプライチェーンへの影響により、軽自動車を製造する水島製作所(岡山県倉敷市)の第1組立ラインを一時休止すると発表した。期間は3月27日〜4月10日で、計11稼働日の操業を停止することになる。
ホンダは、四輪車を生産する狭山工場(埼玉県狭山市)と、二輪車を生産する熊本製作所(熊本県大津町)、それぞれについて2日間の生産停止を計画している。狭山工場は部品調達の遅れが影響しており、4月16〜17日の2日間操業を停止する。熊本製作所は4月13〜14日の2日間操業を停止する。これは、欧州での需要減少によるものだ。
なお、狭山工場は「ステップワゴン」や「オデッセイ」、熊本製作所は「ゴールドウイング」などの大型バイクの他「スーパーカブ」などを生産している。
スズキは3月27日、海外調達部品の一部で納入に影響が出ることを受けて、国内工場と国内製造子会社の操業を停止すると発表した。対象となるのは、軽乗用車を生産する湖西工場(静岡県湖西市)、商用車を生産する磐田工場(静岡県磐田市)、エンジンと関連部品を生産する相良工場(静岡県牧之原市)、鋳造部品を手掛ける大須賀工場(静岡県掛川市)、二輪車を生産する浜松工場(静岡県浜松市)の5工場と、各種部品を製造するスズキ部品製造(静岡県浜松市)、スニック(静岡県磐田市)、スズキ部品秋田(秋田県井川町)、スズキ部品富山(富山県小矢部市)の4子会社。操業停止期間は4月1〜3日の3稼働日で、4月6日以降の操業再開については、状況などを見極めた上であらためて判断するとしている。
ソニーは2020年3月27日、COVID-19の感染拡大による生産への影響について発表した。
COVID-19が最初に広がった中国では、上海市の2工場と江蘇省無錫市と広東省恵州市の1工場で計4工場を展開している。1月24日に春節休暇に入ってから2月9日までは政府の指導に基づく休暇の延長により全工場の稼働を停止していたが、2月10日からは順次稼働を再開している。部品の供給問題は完全には解消していないものの、稼働は感染拡大前の水準に戻りつつあるという。
その一方で、COVID-19の感染拡大が顕著な欧州では、放送機器を生産する英国のウェールズ工場が政府の方針に基づき3月26日〜4月20日の間で操業を停止している状態だ。また、マレーシアにはクアラルンプールとペナンに工場があるが、政府の方針に基づき3月18日〜4月14日の間で操業を停止している。なお、クアラルンプール工場はテレビ、ペナン工場はBDレコーダーやオーディオ機器を生産している。
国内工場で生産しているCMOSイメージセンサーについては、原材料の調達を含めて生産への影響は軽微だという。
国内半導体大手のルネサス エレクトロニクスは2020年3月27日、海外拠点におけるCOVID-19感染拡大の影響について発表した。
中国の北京と蘇州の2工場については、ソニーと同様に生産を一時停止したものの、2月10日から一部生産を再開。3月27日時点では通常稼働による生産を行っているという。
一方、現在大きな影響を受けているのがマレーシアの3工場だ。政府発令の活動制限令により、それぞれ3月18日から生産を停止していたが、ペナンに展開するRenesas Semiconductor (Malaysia)は3月21日、Integrated Device Technology Malaysiaは3月19日、セランゴールのRenesas Semiconductor KLは3月26日から一部生産を再開した。現時点では、政府からの要請に従って限定的な生産を行っているとしている。
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