エレクトロニクス製造および実装技術の展示会である「インターネプコン ジャパン2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)の特別講演に、KDDIソリューション事業企画本部5G・IoTサービス企画部長の野口一宙氏が登壇。「KDDIの5GとIoTの取り組みと製造業界への適用について」をテーマに、5Gの実証実験やIoT導入事例を通じたビジネスへのインパクト、製造業界への適用例などについて述べた。
エレクトロニクス製造および実装技術の展示会である「インターネプコン ジャパン2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)の特別講演に、KDDI ソリューション事業企画本部 5G・IoTサービス企画部長の野口一宙氏が登壇。「KDDIの5GとIoTの取り組みと製造業界への適用について」をテーマに、5Gの実証実験やIoT(モノのインターネット)導入事例を通じたビジネスへのインパクト、製造業界への適用例などについて述べた。
KDDIは20年前からIoTに関連したサービスを展開しており、ネットワークだけでなく、カメラ、センサー、ドローンなどのデバイスや、クラウド関連についてのサービスを提供してきた。さらに、グループ企業と共に新たなビジネス開発にも取り組んでいる。
これらのビジネス開発で取り入れたのがアジャイル企画開発(優先度の高いものを短期間に開発していくもの)である。これは、実際にユーザーの要望を聞いた後1〜2週間でアプリケーションを作成し、実際に業務担当者に試してもらうというものだ。モノやサービスを見ながら改善点を探るスタイルで、実効的な新たな価値創出までの時間を短くする。「代表的な事例として、コネクティッドカーが挙げられる。製造業向けとしては、センサーでデータを収集することで原因を解析するスマート工場などの取り組みがある」と野口氏は語る。
これらをグローバルに広げるのが、KDDIが展開する「IoT世界基盤」である。IoTのトータルな世界をグローバルに広げることを目指す。ここでも通信回線だけにとどまらず、デバイスやデータ蓄積、法規制対応なども含めて対応する。野口氏は「例えば、プロフェッショナルサービスとしてコネクテッド化に必要な法規制や認証所得のサポートを行っている」とその一例を紹介した。
KDDIではこれらの取り組みを5Gで加速させる方針だ。「5Gは通信手段の1つであることから、DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させるものだと理解している」と野口氏は語る。
具体的な価値の1つとして、製造業向けに提供できる各種のソリューションを検討する。高精細動画とAR(拡張現実)遠隔指示、整備データのAI(人工知能)分析と故障予知、カメラ画像分析と操業異常検知、カメラ画像分析と不審者検知、重機の遠隔制御などがある。これらはスマート工場化に向けて既に取り組まれているテーマであり、その中で一連の5Gユースケースを選定し、アプリやプラットフォーム設計、PoC(概念実証)を実施し、インフラを設計して5Gの実証実験を行う流れとなる。物流分野でも環境保持から出荷、配送、在庫などまでユーザーの課題解決を助けるソリューションを提供する他、作業員の健康管理を目指したバイタルセンシングなどのテーマも挙がっているという。
ビジネスモデルとしては、リカーリング(継続的に商品やサービスを提供しながら収益を得続ける課金体系)型を推進する。工場での活用では可視化に加えて、それを分析することで予知ができるようになれば、さらに新しい価値を提案できることになる。一つ一つのデータ分析やソリューションが次のステップの価値につながる積み重ねを築くことを目指す。「5Gは通信方式だけでなく『センシングデバイス/IoT』を挟んで『AI/パーソナライゼーション』という3階層モデルで展開する方針だ」と野口氏は述べている。
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