OKIはユーザーイベント「OKI PREMIUM FAIR 2019」(2019年11月14〜15日)において、SUBARUとの共同実証が決まった「プロジェクションアセンブリーシステム」を紹介し、工場での人作業の支援と負担軽減を訴えた。
OKIはユーザーイベント「OKI PREMIUM FAIR 2019」(2019年11月14〜15日)において、SUBARUとの共同実証が決まった「プロジェクションアセンブリーシステム」を紹介し、工場での人作業の支援と負担軽減を訴えた。
OKIが展開する「プロジェクションアセンブリーシステム」は、セル生産の作業を支援する屋台型のシステムである。カメラによるセンシングにより、ピックアップする部品を作業指示書に合わせてプロジェクターで明示し、ピックアップする部品の指示を行ったり、組み立て作業内容を動画で示したりする。具体的な流れとしては、プロジェクターを使って手順通りに必要な部品の棚を指し示し、さらにその作業内容を作業台に表示する。組み立てが終わり次の部品を取るとその動きをカメラによりセンシングし、次の作業内容が表示されるという流れである。
OKIでは既に自社の富岡工場にこの「プロジェクションアセンブリーシステム」を150基以上導入しており、人手によるセル生産の効率化や作業実績のデータ化、教育などを含めた作業品質の向上などで効果を得ているという(※)。
(※)関連記事:人作業をロボットとITで徹底支援、正味作業時間83%減を実現したOKI富岡工場
「プロジェクションアセンブリーシステム」のさまざまな機能と富岡工場での活用実績が評価を受けて、今回決まったのがSUBARUとの実証実験である。プロジェクションアセンブリーシステム」を自動車生産現場の作業支援に応用した「Projection Complement System(以下、PCS)」を開発し、2019年11月12日からSUBARUの群馬製作所 大泉工場で実証実験を開始した。
SUBARU 大泉工場は、自動車用エンジン、トランスミッションの製造を行っている。これらの製品は、自動車を構成するパーツのなかでも特に高い品質と耐久性が求められ、加工や組み立て後の検査では、重要箇所や重要パーツの指さし確認が必要になる。しかし、多様なワークが流れてくる中で現場の作業者にかかる負担は大きく、これらを支援する仕組みが求められていた。
今回の実証実験では、「プロジェクションアセンブリーシステム」をSUBARUのFAシステムと連携させ、指さし確認など人作業の負担を軽減することを目指す。プロジェクターによるプロジェクションマッピングにより、確認場所をエンジンなどのワークに直接投影し、抜け漏れなく作業を行うことができる。確認作業も指の動きをセンシングすることで、証跡を残すことが可能。また、データ化により作業時間のばらつきや作業手順の課題などを洗い出すことなども可能となる。
「OKI PREMIUM FAIR 2019」会場では、SUBARUの自動車エンジンを持ち込み、エンジンの指さし確認を支援する様子を紹介した。「従来は作業台や棚の一部に映像を投影するものだったが、今回はエンジンなど複雑な形状の立体物に投影することになる。その場合の精度や認識しやすさなどのチューニングが必要になる。実証実験を通じてこれらの課題を見極め、実際に現場で価値を生むように仕上げていきたい」(説明員)。まずは大泉工場内で少数で実証を進め、成果を得られればさらに適用箇所を広げていく流れになるとしている。
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