出展規模は2倍に、ロボットソリューションの海外開拓に注力するヤマハ発動機ハノーバーメッセ2019

ヤマハ発動機は、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、2018年に続いて2回目の出展。「製造ラインの生産性向上を実現するYAMAHA ROBOT BEST SOLUTION」をブーステーマとし、ロボット関連製品のソリューション提案を行った。

» 2019年04月12日 14時00分 公開
[三島一孝MONOist]

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 ヤマハ発動機は、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、2018年に続いて2回目の出展。「製造ラインの生産性向上を実現するYAMAHA ROBOT BEST SOLUTION」をブーステーマとし、ロボット関連製品のソリューション提案を行った。

photo ハノーバーメッセ2019のヤマハ発動機ブース。2018年の2倍の大きさに拡大したという(クリックで拡大)

3つの狙いで出展規模は2倍に

 ヤマハ発動機はハノーバーメッセ2018年に初めて出展し、2019年は2年連続での出展となった※)

※)関連記事:初出展のヤマハ発動機、統合制御型ロボットとシステムを訴求

 出展についてヤマハ発動機では「3つの狙いがある。1つ目はロボット市場におけるヤマハ発動機の欧州での認知度向上だ。2つ目が顧客の獲得で、3つ目がロボット展開を支援してくれるパートナーや代理店の獲得だ」(ヤマハ発動機 ロボティックス事業部 FA統括部 営業部 海外営業グループ 田中千尋氏)としている。ただ、2018年の出展で「従来は欧州での代理店は2社だったが、10社前後まで拡大することができた。手応えを得たので2019年も2年連続で出展することにした」(田中氏)としている。

 出展の中心とした製品は、リニアモータを使用した搬送ロボット「LCM100」と、高速、高精度を誇るスカラロボットで、それぞれをソリューションとしてデモンストレーション展示を行った。

 中心とした展示の1つが、LCM100とスカラロボットを組み合わせ、ヤマハのスピーカーを組み立てるライン展示である。従来型のコンベヤーによる移動ではなく、リニア搬送ロボットを活用することで、高速、高精度で搬送ができる。加えて、搬送ロボット上で作業が行えるために、タクトタイムを低減できる他、作業スペースのコンパクト化などにも貢献できる利点を訴えた。

 田中氏は「初期コストだけを見ると一般的なコンベヤーと比較して高く見えるかもしれないが、タクトタイムの低減や作業スピード、作業スペースの効率化などを含めてトータルコストで考えれば、価値を生み出すことができると考えている。その利点を訴えていきたい」と述べている。

photo ヤマハとの協力で実現したヤマハのスピーカーの組み立てデモ。リニア搬送ロボット上で作業を行うことで作業効率を高めることが可能である(クリックで拡大)

オンザフライの参考出品も

 その他ではスカラロボットの高精度作業のデモの他、参考出品としてオンザフライでの画像認識技術なども参考出品した。従来型の画像認識ではカメラの前で1回動作を止め、撮影を行ってから、再度動き出すという流れとなっていたが、参考出品した技術では、カメラの上を通過する際に画像認識を自動で行うので、毎回ロボットの動作を止める必要がなく、タクトタイム削減につなげられる。まだ開発中だというが「関心は非常に高い」(田中氏)と手応えを感じたという。

photo オンザフライでの画像認識のデモ。赤丸と青丸がカメラ部。従来型の青丸のカメラを通過するときは1時停止が必要だが、オンザフライ対応の赤丸部のカメラを通過するときはロボットは動作を止めない(クリックで拡大)

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